その健康診断の結果

その健康診断の結果、ただしまい込んでいませんか?

── 院長が教える「未来を守る読み解き方」

こんにちは。森川内科クリニック理事長の森川です。

健康診断を受けたみなさん、本当にお疲れさまでした。
結果が届いてホッとした方もいれば、「要再検査」の文字に不安を感じた方もいらっしゃるかもしれません。
そのどちらの気持ちも、私にはよく分かります。

でも、ここでひとつだけ強くお伝えしたいことがあります。
健康診断の結果は、未来のあなたに向けて届けられた“大切なメッセージ”です。

この記事では、そのメッセージをどう読み取り、どう行動に移していくかを、できるだけわかりやすくお話しします。
数値の見方に戸惑っている方も、きっと前向きなヒントが得られるはずです。


【まず確認】健康診断で特に注目すべき4つの項目

結果表には多くの数値が並び、どこから見ればいいのか迷ってしまう方も多いと思います。
そこで今回は、特に重要な4つの項目に絞ってポイントを解説します。


① 血圧:「静かなるリスク」から命を守る

血圧は、心臓が全身に血液を送るときの圧力を示しています。
高血圧は別名「サイレントキラー(静かな殺し屋)」。自覚症状がほとんどないまま、体に大きな負担をかけていきます。

放置すれば、心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる病気のリスクが高まります。
数値が基準値を超えていたら、“今は元気だから大丈夫”と油断せず、向き合うことが大切です。


② 血糖値(HbA1c):生活習慣病の“予兆”を見逃さない

血糖値は、血液中のブドウ糖の量を示します。特にHbA1cは、過去1〜2カ月の平均的な血糖コントロールを反映する重要な指標です。

糖尿病の怖さは、進行した後の合併症。
網膜症、腎症、神経障害など、日常生活に大きく影響する症状が潜んでいます。

でも、今の段階で気づければ、食事や運動などの習慣を見直すことで、将来のリスクをぐっと下げることができるのです。


③ 脂質(コレステロール・中性脂肪):血管の健康を守る鍵

LDLコレステロール(いわゆる「悪玉」)、HDLコレステロール(「善玉」)、中性脂肪――
これらのバランスが崩れると、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な疾患につながります。

善玉と悪玉、それぞれの役割を正しく理解し、**「数値の背景にある生活習慣」**にも目を向けていくことが必要です。


④ 肝機能(AST、ALT、γ-GTP):沈黙の臓器からのSOS

肝臓は「沈黙の臓器」と言われるように、よほど悪化しない限り症状が現れにくい臓器です。
だからこそ、数値の異常は**体が発している“見えないサイン”**と捉えてください。

お酒、脂肪肝、薬剤、ウイルス…。さまざまな原因が考えられるため、異常が出た場合は放置せず、医師と相談することが重要です。


「要再検査」と言われたら?焦らず行動するための3ステップ

「要再検査」や「精密検査」の通知を受け取ると、不安になるのは当然です。
でもまず知っていただきたいのは、“今すぐ病気”という意味ではないということ。

むしろ、「今のうちにしっかり確認しましょう」というチャンスなんです。

以下の3ステップを意識することで、不安を和らげつつ、正しく行動できます。


Step1:通知を落ち着いて確認する

まずは「どの項目で」「どのような検査が必要なのか」をしっかり確認しましょう。
“再検査”なのか“精密検査”なのか、“経過観察”でよいのか――。冷静な確認が第一歩です。


Step2:できるだけ早く医療機関に相談を

不安なまま日々を過ごすのは、心にも体にも負担です。
「少し様子を見よう」と先延ばしにせず、2週間以内を目安に医療機関へご連絡を。

当院でも、健康診断の結果についてのご相談を随時受け付けております。


Step3:検査結果をもとに、次の一歩を考える

検査の結果が出たら、それをゴールではなく“スタート”に。
生活習慣を見直すのか、治療を検討するのか、一緒に考えていきましょう。

ほんの少しの工夫や改善でも、数値は大きく変わります。
「できることから始める」ことが、健康への確かな一歩です。


健康診断を「年に一度の健康通信簿」として活用しよう

健康診断は、“受けるだけ”で終わらせてはいけません。
「今の自分を知り、未来の自分を守る」ための通信簿と考えてください。

良い結果だった方も、「今の健康を維持する努力」を続けてください。
気になる数値があった方は、それを“生活を見直すタイミング”と捉えてみてください。

健康は、一日一日の積み重ねで築かれます。
今日の小さな意識が、5年後・10年後の自分の未来を守ってくれるのです。


クリニックからのメッセージ

健康診断の結果を見て、不安を感じたり「どう行動すればいいの?」と悩んだりすることもあるでしょう。
そんな時は、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにご相談ください。

「この数値はどう受け止めればいい?」「改善のコツを教えてほしい」
そんな些細なことでも大歓迎です。

森川内科クリニックは、地域の皆さまの「かかりつけ医」として、いつでもあなたの健康を全力でサポートします。

どうぞお気軽にお越しください。

医療法人 煌仁会 森川内科クリニック
理事長 森川 髙司


※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療については、必ず医師にご相談ください。

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