血糖値の変動にさよなら

—日々の小さな習慣が、あなたの体をゆるやかに変えていく—

こんにちは。医療法人煌仁会 森川内科クリニック 院長の森川髙司です。

「先生、血糖値が安定しないんです。昨日は良かったのに、今日はまた上がっていて……」
そんな言葉を、私は診察室で何度も耳にしてきました。

血糖値の変動に一喜一憂し、先の見えない不安に心を支配されてしまう——。
糖尿病と向き合う方々にとって、それはとてもリアルな日常です。

でも、どうか焦らないでください。
血糖値を安定させるために、特別なことを始める必要はありません。

**大切なのは、日々の暮らしの中にある「小さな習慣」**です。
それらが、静かに、でも確かに、あなたの体と心を変えていきます。


血糖値が安定すると、人生そのものが穏やかになる

たとえば、50代の会社員の男性。
「先生、午後の眠気がなくなったんです。会議中も頭がスッキリしていて、仕事のパフォーマンスが上がった気がします」

また、40代の主婦の方はこう話してくださいました。
「朝のだるさがなくなって、子どもにイライラしなくなりました。『最近のお母さん、優しいね』って言われたんです」

これはほんの一例です。
血糖値が安定すると、体だけでなく、心のゆとりや家族との関係、日々の暮らしの質まで変わっていくのです。


私がお勧めする「小さな習慣」ベスト5


1. 朝の「5分間ウォーキング」

「運動が大切なのは分かっているけど、時間が取れなくて…」
そんな声をよく聞きます。

でも、たった5分でいいんです。
家の周りを軽く一周。あるいは、通勤時に一駅だけ歩く。
それだけで、血糖値の変動が少しずつ整っていきます。

ある患者さんはこう言いました:
「最初は面倒に思っていたのに、1週間経つ頃には、歩かないと物足りなくなってきました」

習慣は“気合”ではなく、“自然と続けられる”ことから生まれます。


2. 食事の「20分ルール」

早食いは血糖値の急上昇を招く大きな要因。
だからこそ、「ゆっくり食べる」だけで、体は変わり始めます。

目安は20分。コツは、一口ごとに箸を置くこと。
噛むたびに味わい、食べることに意識を向けるだけで、食事が体にも心にも優しい時間になります。


3. 「血糖値日記」で自分の体と会話をする

血糖値を測った時間、食べたもの、気分や睡眠の質——
これらを簡単にメモするだけで、自分の体の“クセ”が見えてきます。

「この食べ物の後は血糖値が上がりやすいな」
「ストレスがある日は高めになりやすいかも」

ある患者さんは、「日記をつけてから、自分の体の声が少しずつ聞こえるようになった気がします」と話してくださいました。


4. 夜の「リセット時間」

就寝前の1時間は、スマホやテレビから離れて、心と体を休ませる時間に。
照明を落として静かな音楽を流す、ストレッチをする、好きな本をめくる——。

良質な睡眠は、血糖値の安定に欠かせない要素です。
朝の血糖値が安定したという声も、多くいただいています。

体をいたわる時間を、自分に“贈る”ような気持ちで過ごしてみてください。


5. 水分補給の「ちょこちょこ飲み」

脱水は血糖値の上昇要因のひとつ。
一気に飲むよりも、コップ半分程度の水を、こまめに飲むことが効果的です。

私自身、診察の合間に少しずつ水を飲むようにしています。
患者さんから「先生も実践してるんですね」と親しみを持っていただけることもあります。


「完璧」じゃなくていい。「続けられる」が一番大事

どの習慣も、「完璧」を目指す必要はありません。
ウォーキングができない日があっても、1分でも歩けたら立派な進歩です。

「毎日できていなくて、すみません」と言われる患者さんに、私はこう答えます。

「月に15日でも続けられていたら、それはもう“素晴らしい習慣”です」

大切なのは、無理なく、でも確かに“続いている”ということ。
それが、あなたの体をゆっくりと変えていきます。


数値が変わるよりも、表情が変わる

3ヶ月間、小さな習慣をコツコツと続けた患者さん。
HbA1cは8.2%から7.1%に改善しました。

でも、それ以上に私の心に残っているのは、診察室で見せてくれたその表情です。

以前は不安そうだったその顔が、今では自信と誇らしさに満ちていました。

「先生、自分の体を自分でコントロールできている気がします」

その言葉に、私は何度も励まされています。


あなたに合った習慣を、一緒に見つけましょう

ここでご紹介した5つの習慣は、あくまで例にすぎません。
大切なのは、あなたの生活スタイルに合った方法を見つけることです。

朝が苦手なら、夜にできる工夫を。
料理好きなら、低糖質レシピに挑戦してみる。

私の外来では、患者さんと一緒に**「あなただけの習慣メニュー」**をつくっています。
楽しみながら、自然に取り入れられる方法を一緒に考えていきましょう。


小さな一歩が、確かな変化につながる

「本当に、そんな小さなことで変わるの?」
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。

でも、私は20年以上、糖尿病と向き合う患者さんを診てきて確信しています。

小さな習慣は、確実に体と人生を変える力を持っています。

大切なのは、一歩を踏み出す勇気と、それを優しく見守る気持ちです。
自分に厳しくなりすぎず、できたことをちゃんと褒めながら、少しずつ前へ進んでいきましょう。

血糖値の変動に振り回される毎日から、安定した体と穏やかな心で過ごせる毎日へ。

その変化を、私たちが一緒に支えていきます。


どんな小さな疑問でも、遠慮なくご相談ください。
あなたのペースに寄り添いながら、一緒に歩んでいきましょう。

まずは、お気軽にご相談ください。
[病院予約ページはこちら]

https://ssl.fdoc.jp/reserve/subjectlist/index/cid/s2552911?SITE_CODE=hp

小さな習慣が、あなたの未来を変える。
その最初の一歩を、今日から始めてみませんか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です