『「喉が渇く前」が合言葉。高齢の方こそ注意したい“隠れ脱水”のお話』
「トイレが近くなるから、あまり水を飲まないようにしてるの」――診察室では、そんな声をしばしば耳にします。
そのお気持ち、本当によく分かります。特に、夜中に何度もトイレに起きるのは、心身ともに大きな負担ですよね。
でも実は、高齢になると“喉の渇き”を感じにくくなってしまうのです。
「喉が渇いていないから大丈夫」と思っていても、体の中ではすでに水分が足りていない“隠れ脱水”の状態に陥っていることがあるんです。
今回は、「なぜ水分補給がそれほど大切なのか」、そして「どうすれば負担なく水分を摂れるのか」について、わかりやすくお話しします。
高齢の方が脱水になりやすい理由
年齢を重ねると、体内の水分量が自然と減少していきます。
加えて、「喉が渇いた」と感じるセンサーも鈍くなるため、実際には水分が不足していても気づきにくくなるのです。
そのため、喉の渇きを感じた時点では、すでに脱水が始まっている可能性が高いのです。
脱水になると血液の流れが悪くなり、心臓や脳に大きな負担がかかります。
めまいやふらつき、頭痛といった不調の原因にもなりますし、重症化すれば命に関わることさえあります。
無理なく水分を摂る3つのコツ
1. 「喉が渇く前」に、こまめに一口ずつ
一度にたくさん飲む必要はありません。コップ半分ほどの水を、朝起きた時・食事の時・10時・15時・寝る前など、時間を決めて少しずつ飲むのがおすすめです。
“時間を決める”ことで、うっかり忘れることも防げます。
2. 食事からも上手に水分補給を
飲み物だけが水分補給ではありません。お味噌汁やスープ、果物、ゼリーなどからも、水分はしっかり摂れます。
特に具だくさんのお味噌汁は、栄養も一緒に摂れるので一石二鳥です。
3. 夜間のトイレが気になるなら、夕方以降は控えめに
夜中のトイレが心配な方は、夕方以降の水分量を少し控えめにして、日中にしっかり水分を摂るようにしましょう。
そうすれば、夜間のトイレが減って、ぐっすり眠れる可能性も高まります。
特に注意したい季節とシーン
暑い夏場はもちろんですが、実は冬も油断大敵。暖房の効いた室内では、知らないうちに体から水分が奪われています。
また、お風呂の前後や運動の前後も、しっかり水分補給を心がけましょう。
「水分補給」といっても、難しく考える必要はありません。
特別なドリンクでなくても、お茶や水で十分。大切なのは、“好きな飲み物を、こまめに、少しずつ”飲むことです。
「トイレが心配で水分を控えていたけど、これなら私にもできそう」――そう思っていただけたなら嬉しいです。
何よりも大事なのは、「喉が渇く前」に一口飲むこと。それが、隠れ脱水を防ぐ何よりのポイントです。
今日から、ぜひ試してみてくださいね。
もしご自身の体調について、少しでも不安や疑問があれば、いつでも気軽にクリニックにいらしてください。
私たちがしっかり寄り添い、サポートいたしますので、どうぞ安心してくださいね。

