『お家での血圧測定、本当に正しくできていますか? -医師が教える“意外な落とし穴”-』
「毎日ちゃんと血圧を測っていますよ」
そうお話しされる患者さん、とても多くいらっしゃいます。
血圧計を使って、日々の健康管理に気を配っておられる姿勢――本当に素晴らしいことです。
でも実は、“ちょっとした測り方の違い”で、血圧の数値は大きく変わってしまうのをご存じでしょうか?
「えっ、そんなことで?」と驚かれる方も少なくありません。
今日は、**意外と知られていない“血圧測定の落とし穴”**についてお話しします。
正しく測れるようになると、血圧の変化にいち早く気づけるようになり、健康管理の精度もグッと上がりますよ。
❗こんな測り方、していませんか?
① トイレを我慢したまま測っている
「測る前にトイレを済ませてくださいね」とお伝えすると、驚かれることがよくあります。
実は、膀胱がいっぱいの状態だと、血圧が一時的に上昇してしまうのです。
また、直前にコーヒーやお茶を飲む・タバコを吸うといったことも、血圧を高くしてしまいます。
測る前は、なるべく自然な状態で落ち着いて臨みましょう。
② 腕の位置が心臓の高さと合っていない
血圧を測るとき、腕の位置はとても重要です。
- 心臓より下にあると→高めに出る
- 心臓より上にあると→低めに出る
椅子に座った状態で、肘が自然と心臓の高さになるようにクッションなどで調整してみてください。
「そんな細かいことで?」と思われるかもしれませんが、たったこれだけで10以上も違いが出ることもあります。
③ 連続で測っている
「1回目が高かったから、すぐもう1回…」と測り直していませんか?
実は、続けて測ると腕の血管が圧迫されて、正確な数値が出にくくなるんです。
どうしても測り直したいときは、1〜2分ほど間を空けてから再測定しましょう。
✅ 正しい血圧の測り方のポイント
🕒 測る時間・タイミング
- 朝: 起床後、トイレを済ませてから、朝食・薬の前に
- 夜: 寝る前、入浴から1時間以上経ってから
毎日同じ時間帯に測ることで、自分の血圧のパターンが見えてきます。
🧍♂️ 測るときの姿勢
- 背もたれのある椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばします
- 足は床にしっかりつけ、足を組まないように
- 測る前に1〜2分、静かに座って気持ちを落ち着けるのがコツです
リラックスした状態が、最も正確な血圧を引き出します。
💡 腕帯(カフ)の巻き方
- 巻く位置は、肘の内側から指2本分上
- きつすぎず・ゆるすぎず、指1〜2本が入る程度に
- 厚手の服の上からはNG!できるだけ素肌に直接巻くようにしましょう
薄い長袖ならそのままでも大丈夫ですが、なるべく肌に触れる状態が理想的です。
📝 記録することが、健康の第一歩に
測った血圧は、その日の体調と一緒に記録しておくと、診察時にとても役立ちます。
記録内容の例:
- 測定した日付・時間
- **上(収縮期)・下(拡張期)**の血圧
- そのときの体調のひとこと(眠れなかった・疲れていた など)
最近は、自動で記録してくれる機種もありますが、手書きでもまったく問題ありません。
自分で書くことで、変化に気づく“目”も育っていきますよ。
🚩こんな時は、すぐにご相談を!
以下のような状況では、自己判断せず、必ずクリニックへご連絡ください。
- 上が180以上、または下が110以上の高い数値が出た
- 普段より明らかに高く、頭痛やめまいを伴う
- 血圧は高くないけれど、胸が痛い・動悸がする などの症状がある
「大したことないかも」と思ってしまいがちですが、早めの受診が何よりの安心につながります。
🌿「これならできそう」と思えたら、今日からスタート!
今まで、なんとなく測っていたという方も、
「これなら私にもできそう」と感じていただけたのではないでしょうか。
正しい測定方法を知っておくことは、薬や治療と同じくらい大切な“予防”のひとつ。
明日から、いや、今夜からでもすぐに始められる健康習慣です。
🏥分からないことがあれば、お気軽にご相談ください
「測り方が合っているか不安…」
「この記録、先生に見てもらった方がいいかな…?」
そんな時は、どうぞ遠慮なくクリニックへお越しください。
血圧手帳を持ってきていただければ、一緒に見ながらお話しできますよ。
私たちが、あなたの健康管理をしっかりサポートします。
どうぞ安心して、ご相談くださいね。

