“未来を守る医療ノート” 【シリーズ第6回】

睡眠負債の恐怖

〜たかが寝不足、されど寝不足〜

医療法人煌仁会 森川内科クリニック 理事長 森川髙司


「寝不足、慣れました」は危険信号

  • 「睡眠は4〜5時間で十分」
  • 「週末に寝溜めすれば大丈夫」
  • 「忙しくて、寝る時間がない」

そう思っていませんか?
その寝不足、あなたの命を削っているかもしれません。


Mさんのケース:積もった「睡眠負債」

Mさん(当時42歳/IT企業勤務)

  • 平日:就寝2時、起床7時(睡眠5時間)
  • 休日に10時間睡眠で「チャラ」のつもり

しかし現実は…

  • 日中の強い眠気・集中力低下・ミスの増加
  • イライラ・風邪をひきやすい
  • 健診で 血圧150/95、血糖126、中性脂肪200

➡ 医師の一言:
「このままだと10年以内に心筋梗塞か脳梗塞を起こします」

ようやくMさんは気づきました。
「寝不足」は、静かに命を削っていくのです。


「睡眠負債」とは?

  • 毎日の睡眠不足の積み重ね
  • 例:1日1時間不足 × 7日=7時間の負債
    週末に寝ても返せない!

➡ 睡眠負債は、まさに「命の借金」。
放置すれば、取り返しがつかない健康リスクに。


睡眠不足が招く9つのリスク


① 生活習慣病のリスク増加

  • 高血圧: 睡眠6時間未満でリスク2倍
  • 糖尿病: 睡眠5時間未満でリスク2.5倍
  • 肥満: 食欲ホルモンの乱れ → 食べ過ぎ

② 心筋梗塞・脳卒中リスク増加

  • 動脈硬化の進行
  • 心筋梗塞・脳梗塞のリスクが 約1.5倍

③ がんリスク上昇

  • 睡眠不足 → 免疫低下、ホルモン乱れ
  • 乳がん・大腸がん・前立腺がんリスク増加

④ 認知症リスク増加

  • 睡眠中に脳の「ゴミ(アミロイドβ)」を排出
  • 寝不足 → ゴミが溜まり、認知症リスク上昇

⑤ うつ・不安障害のリスク

  • 睡眠不足で うつ病リスク3倍
  • 情緒不安定、イライラ、集中力低下

⑥ 免疫力の低下

  • 風邪をひきやすくなる
  • ウイルス感染に弱くなる

⑦ 事故・ミスが増える

  • 居眠り運転・判断ミス・反応速度低下

⑧ 老化が進む

  • 成長ホルモンの分泌減少
  • 肌トラブル、筋肉量低下

⑨ 寿命が縮まる

  • 6時間未満の睡眠で死亡リスク 1.3倍

あなたは「睡眠不足」かも?

✅ 睡眠不足チェックリスト(3つ以上で要注意)

  • 朝起きるのがつらい
  • 目覚ましがないと起きられない
  • 日中に強い眠気がある
  • 電車で座るとすぐ寝てしまう
  • 週末に「寝溜め」している
  • 午後に集中力が切れる
  • イライラしやすい

「質のよい睡眠」をとる10の方法


1. 就寝・起床時間を一定に

➡ 平日・休日とも同じ時間に!

2. 朝日を浴びる

➡ 体内時計が整う/睡眠ホルモンのリズム改善

3. 日中に運動する

➡ 深い睡眠を得られる(ただし寝る3時間前まで)

4. カフェインは15時まで

➡ 効果が5〜7時間続くため、夕方以降はNG

5. 夕食は就寝3時間前までに

➡ 満腹で眠ると、睡眠の質が低下

6. アルコールは控えめに

➡ 「寝酒」は寝付き○だが、睡眠の質×

7. ぬるめの入浴(38〜40℃)を寝る1時間前に

➡ 体温が下がるタイミングで眠気が来る

8. 就寝前のスマホNG

➡ ブルーライトがメラトニンを妨げる

9. 寝室環境を整える

  • 暗く(アイマスク)
  • 静かに(耳栓)
  • 涼しく(16〜19℃)

10. “寝る前ルーティン”を作る

  • ストレッチ、読書(紙の本)、アロマ、音楽

❗「眠れない」時の対処法

  • 20分以上眠れないなら、一度ベッドを出る
  • スマホを見ずに読書や音楽でリラックス
  • 眠くなったらベッドへ

「ベッド=寝る場所」という習慣づけを大切に


「昼寝(パワーナップ)」も効果的

  • 時間:15〜20分まで(30分超はNG)
  • 午後3時までに
  • 座ったままでOK

➡ 午後の集中力UP、心臓病リスク軽減にも


「週末の寝溜め」は逆効果!

  • 体内時計が狂う
  • 「月曜がつらい」原因に(社会的時差ボケ)

➡ 解決法は、毎日一定の睡眠時間の確保のみ!


もしかして「睡眠障害」かもしれません


不眠症(入眠・中途・早朝・熟眠障害)

  • 寝付けない・夜中に何度も目が覚める・朝早く目覚める・眠った気がしない

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

  • 大きないびき・夜間の無呼吸・日中の強い眠気・朝の頭痛、口の渇き

むずむず脚症候群

  • 夜、脚がムズムズして動かさずにいられない

➡ いずれも、専門的治療で改善します。早めに睡眠外来へ。


「睡眠薬=危険」は誤解です

  • 近年の薬は依存性が低く、安全性が高い
  • 医師の指導のもとで使用すれば、問題なし

➡ 放置された寝不足の方が よほど危険です。


理事長からのメッセージ


「忙しいから、寝る時間がない」
その気持ち、よく分かります。
でも…

  • 寝不足で仕事のミスが増える
  • 寝不足で病気になり、寿命が縮む

これ、本当に“時間の節約”になっていますか?


しっかり眠ることで、

✅ 仕事のパフォーマンスが上がる
✅ 病気のリスクが下がる
✅ 集中力と気分が安定する
✅ 長生きできる

睡眠は、“最高の自己投資”です。


次回予告(シリーズ第7回)

「健康診断だけで安心?本当に受けるべき“オプション検査”とは」


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当院では睡眠時無呼吸症候群の簡易検査も行っています。

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