“未来を守る医療ノート” 【シリーズ第7回】
健康診断だけでは不十分?
〜本当に受けるべき「オプション検査」とは〜
医療法人煌仁会 森川内科クリニック 理事長 森川髙司
「会社の健診でA判定」= 本当に安心?
- 「毎年、会社の健康診断を受けている」
- 「血液検査も異常なし。A判定だった」
- 「だから、自分は健康なはず」
…その安心、もしかすると“思い込み”かもしれません。
実例:Nさんが見逃していた“がん”
Nさん(当時51歳/男性)
- 毎年、会社の健康診断を欠かさず受診
- 結果は常に「A判定」
しかしある日、背中の痛みが続いたため、病院でCT検査を受けたところ…
**膵臓がん(ステージⅢ)**が見つかりました。
「なぜ健康診断で見つからなかったのか?」
答えは明確です:
▶ 会社の健診に「膵臓」の検査は含まれていないからです。
会社の健康診断の“限界”
法律で定められている基本検査項目:
- 身長・体重・BMI・腹囲
- 血圧測定
- 視力・聴力
- 尿検査(糖・たんぱく)
- 血液検査(肝機能、脂質、血糖など)
- 心電図
- 胸部レントゲン
👉 これだけでは、多くの“重大な病気”が見逃されてしまいます。
健康診断に含まれていない主な検査:
| 疾患・臓器 | 検査内容 |
| 胃がん | 胃カメラ、バリウム検査 |
| 大腸がん | 大腸内視鏡、便潜血 |
| 肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓 | 腹部エコー、CT |
| 肺がん | 胸部CT |
| 前立腺がん(男性) | PSA検査 |
| 乳がん(女性) | マンモグラフィ、乳腺エコー |
| 子宮頸がん(女性) | 細胞診 |
| 骨粗鬆症 | 骨密度検査 |
| 甲状腺の病気 | 血液検査(TSHなど) |
年代別「追加で受けるべき検査」
【30代】“予防”と“将来への投資”のための検査
✅ おすすめ検査:
- 腹部エコー
→ 脂肪肝、肝腫瘤、胆石、腎臓の異常を発見
👤 特に:肥満/飲酒/肝機能異常 - ピロリ菌検査
→ 胃がんリスクを下げる(除菌で5倍減)
📌 一度だけでOK(陽性なら除菌治療) - 甲状腺機能検査(特に女性)
→ 疲労感・寒がり・体重変化の原因に
🔍 血液検査(TSH、FT3、FT4)
【40代】「がん」リスクが急上昇する年代
✅ 必須レベルの検査:
- 胃カメラ or 胃バリウム
→ 胃がん、ピロリ菌、潰瘍の早期発見 - 便潜血検査(大腸がん検診)
→ 日本人に最も多いがん!早期ならほぼ完治 - 腹部CT or 腹部エコー
→ 肝臓・膵臓など“沈黙の臓器”のがんをチェック - 胸部CT(喫煙歴ありは必須)
→ レントゲンでは見逃す初期肺がんを発見! - PSA検査(男性)
→ 前立腺がんは40代後半から急増 - 乳がん検診(女性)
→ マンモグラフィ+乳腺エコー
2年に1回は必ず - 子宮頸がん検診(女性)
→ HPV由来のがん。定期チェックで防げます
【50代】「重点的な検査」が必要な年代
✅ 40代の検査に加え、さらに以下を推奨:
- 頸動脈エコー
→ 脳梗塞・心筋梗塞リスクのチェック - 心臓ドック(心エコー・冠動脈CT)
→ 動脈硬化、心不全、狭心症のリスク評価 - 脳ドック(MRI・MRA)
→ 無症候性脳梗塞・脳動脈瘤・脳腫瘍の発見 - 骨密度検査(特に女性)
→ 閉経後は骨粗鬆症リスク急増 - 腫瘍マーカー(補助的)
→ がんの可能性を広くチェック(※単独では不可)
💡 家族歴がある方は「10歳早く・頻繁に」
- 父が50歳で大腸がん → あなたは40歳から内視鏡を
- 母が45歳で乳がん → あなたは35歳から乳がん検診を
「人間ドック」は受けるべき?
メリット:
- 一度で総合的なチェック
- 胃カメラやエコーなどをまとめて実施可能
デメリット:
- 費用が高い(3〜10万円以上)
- 必要ない検査が含まれていることも
✅ 40代・50代の節目に1回は受けるのがおすすめ!
その後は、必要な検査を“自分仕様”で選びましょう。
「オプション検査=高額」ではない
| 検査名 | 費用の目安(保険 or 自費) |
| 胃カメラ | 3,000〜5,000円(保険適用) |
| 大腸内視鏡 | 5,000〜8,000円(保険適用) |
| 腹部エコー | 2,000〜3,000円(保険適用) |
| 胸部CT | 5,000〜10,000円(自費) |
| PSA | 1,000〜2,000円(保険/自費) |
| 乳がん検診 | 5,000円前後(自治体補助あり) |
それでも高く感じる方へ
治療費の比較:
| 早期発見 | 進行後治療 | |
| 費用 | 数千〜数万円 | 数十万〜数百万円+仕事の損失 |
| 期間 | 短期間 | 長期入院・通院 |
| 生活への影響 | 最小限 | 生活激変の可能性 |
➡ 検査は「最高の保険」であり、「命の自己投資」です。
理事長からのメッセージ
「会社の健診でA判定だった」
その安心が、実は“盲点”かもしれません。
- 健診は“最低限”でしかありません
- 自分の年齢・体質・家族歴に合った検査を選ぶことが、命を守る第一歩です
「がん」も「心筋梗塞」も「脳梗塞」も
早期発見できれば、治る時代です。
10万円の検査で、
あなたの命、家族、未来が守れるなら──
それは“高い出費”でしょうか?
次回予告(最終回)
シリーズ第8回:「10年後も現役で働くために、今すべきこと」
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✅ どの検査を受ければよいか迷った方も、お気軽にご相談ください。
✅ あなたに最適な検査を、一緒に考えましょう。
✅ 当院では各種オプション検査のご案内・手配も行っています。

