【未病だより・シリーズ第3回】

血糖値の「グレーゾーン」

糖尿病予備群を知っていますか?

医療法人煌仁会 森川内科クリニック 理事長 森川髙司


「血糖値108…正常範囲ですよね?」

健康診断の結果を見て、こう質問される方がよくいらっしゃいます。

確かに、糖尿病ではありません。
でも、「正常」でもないのです。

その状態こそが、糖尿病予備群――つまり、未病の状態です。


「糖尿病予備群」とは?

血糖値の分類は、以下の通りです。

【空腹時血糖値】

  • 正常:100未満
  • 正常高値(未病):100〜109
  • 糖尿病予備群(未病):110〜125
  • 糖尿病:126以上

【HbA1c(ヘモグロビンA1c)】

  • 正常:5.6%未満
  • 正常高値(未病):5.6〜5.9%
  • 糖尿病予備群(未病):6.0〜6.4%
  • 糖尿病:6.5%以上

100〜125や、5.6〜6.4%は、「まだ大丈夫」ではなく「今、対策すべき状態」なのです。


日本には、1,000万人の「糖尿病予備群」

  • 糖尿病の患者数:約1,000万人
  • 糖尿病予備群:約1,000万人

➡ 合わせて約2,000万人。日本人の約6人に1人が、糖尿病またはその予備群だと言われています。
あなたも、予備群かもしれません。


【事例】Sさんの気づきと後悔

Sさん(46歳・男性)は、3年前の健診で以下の数値が出ました。

  • 空腹時血糖値:112
  • HbA1c:5.9%

「糖尿病じゃないし大丈夫」と思って放置していたところ…

  • 1年目:112、5.9%
  • 2年目:118、6.1%
  • 3年目:128、6.6%

3年後、ついに糖尿病と診断。現在は薬で治療中です。

「もっと早く対策しておけばよかった」と話しておられます。


「糖尿病予備群」の3つの問題

【1】将来、糖尿病になる可能性が高い

予備群の約30%が、5年以内に糖尿病になります。

【2】すでに血管は傷つき始めている

高めの血糖でも、動脈硬化が進行します。
心筋梗塞や脳梗塞のリスクも上昇。

【3】放置すると、恐ろしい合併症に

  • 網膜症 → 失明
  • 腎症 → 人工透析
  • 神経障害 → 足の壊疽・切断
  • 心筋梗塞・脳梗塞

でも、「予備群」なら、まだ戻せます。


なぜ血糖値が上がるのか?

主な原因は以下の7つです:

  1. 食べ過ぎ(特に糖質)
  2. 肥満(内臓脂肪型)
  3. 運動不足
  4. 加齢(インスリンの分泌が減る)
  5. ストレス(ホルモンで血糖上昇)
  6. 睡眠不足(インスリン抵抗性)
  7. 遺伝的体質(家族に糖尿病)

放置した未来 vs 今からの未来

予備群を放置すると…

  • 数年後:糖尿病に → 薬、通院、制限のある生活
  • 10〜20年後:失明、透析、心筋梗塞、脳梗塞

でも、今から対策すれば…

  • 薬なしで正常に戻せる
  • 合併症を予防できる
  • 健康寿命が延びる

「糖尿病予備群」を改善する7つの方法

1. 体重を3〜5%減らす

例)70kgの人なら → 2.1〜3.5kg減

  • インスリンの効きが良くなる
  • 血糖値が下がる

2. 食事を見直す

⛔ 避けたいもの:

  • 清涼飲料水・ジュース
  • 菓子パン・ケーキ
  • ラーメン・うどん・丼もの

✅ 取り入れたい習慣:

  • 野菜から食べる(ベジファースト)
  • よく噛んで、ゆっくり食べる
  • 腹八分目
  • 主食は玄米や全粒粉パン
  • 間食を減らす・工夫する

3. 運動する

  • 食後30分〜1時間後のウォーキングが効果的
  • 1日30分、週3回以上
  • 筋トレも◎(スクワット・腹筋など)

4. 間食を工夫する

おすすめの間食:

  • ナッツ(無塩アーモンド・くるみ)
  • 無糖ヨーグルト
  • チーズ

避けたい:

  • お菓子、スナック、甘い飲料

5. 禁煙

タバコはインスリンの効きを悪くします。

6. 質の良い睡眠

  • 7〜8時間
  • 睡眠不足は、血糖と食欲に悪影響

7. ストレス管理

  • リラックスできる時間を持つ
  • 睡眠と趣味の時間を大切に

「血糖値スパイク」にも注意!

血糖値スパイク=食後だけ急激に血糖値が上がる状態

  • 空腹時の血糖が正常でも、実は食後に急上昇している人がいます。
  • これも「未病」の一種で、血管を傷つけます。

予防法:

  • 野菜を先に食べる
  • ゆっくりよく噛む
  • 食後に10〜15分の軽い散歩

【成功例】Tさん(52歳・女性)のケース

健康診断:

  • 空腹時血糖値:118
  • HbA1c:6.2% → 予備群と診断

当院で生活改善に取り組み…

  • 体重−5kg
  • 毎日30分のウォーキング
  • お菓子→ナッツへ置き換え
  • 白米→玄米
  • 野菜ファースト

6ヶ月後:血糖値 96/HbA1c 5.4%(正常範囲に回復)!

「薬も使わず、簡単に改善できて驚きました」とお話しくださいました。


よくある誤解:「甘いものを食べないから大丈夫」

実は、血糖値を上げるのは「糖質全般」です。

  • ご飯・パン・麺類
  • イモ類
  • 果物(特にジュース)

➡ 「普通に食べているだけ」でも、摂りすぎているケースが多いです。

▶ 果物も適量で!

  • バナナ1本、リンゴ半分、みかん2個程度/日
  • 果物ジュースはNG(食物繊維がなく、糖分が凝縮)

「糖質制限」って必要?

流行の「極端な糖質制限」は、当院ではおすすめしていません。

デメリット:

  • 続かない
  • 栄養バランスが崩れる
  • リバウンドの危険

当院のおすすめは:

「適度な糖質コントロール」

  • ご飯は「大盛り」→「普通盛り」に
  • 麺類は週1〜2回に抑える
  • 甘い間食を控える

無理なく、長く続けられる方法で改善を目指しましょう。


私たちにできること

森川内科クリニックでは、糖尿病予備群のサポートを行っています。

  • 指先からの簡単なHbA1c測定
  • 食事・運動のアドバイス
  • 体重管理のサポート
  • 定期的なフォローアップ

「予備群」の段階から、一緒に改善していきましょう。


最後に:今こそ、チャンスです

「まだ糖尿病じゃないから大丈夫」
その油断が、将来の病気を引き寄せます。

糖尿病予備群は、“体からの最後の警告”。
今なら、薬も手術も必要ありません。


✅ 今、対策すれば…

  • 薬なしで改善できる
  • 合併症を防げる
  • 健康寿命が延びる
  • 10年後、元気でいられる

🟢 次回予告

シリーズ第4回:
「“なんとなく不調”は未病のサイン 〜東洋医学の視点から」
あなたの不調、実は体の“声”かもしれません。


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  • 血糖値が「やや高め」の方、ぜひご相談ください
  • 食事・運動指導も丁寧にサポートいたします
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