🌀「腰が痛い」…それ、本当に整形外科の病気?
─ 命に関わることもある“内臓から来る腰痛”の見分け方とは?
「なんだか腰が痛いわ…」
「きっと、昨日の草むしりのせいね」
「年だし、腰痛ぐらい仕方ないよね」──
そんなふうに、腰の痛みを「よくあること」として片づけていませんか?
多くの方は、「腰痛=整形外科で診てもらうもの」と考えるでしょう。確かに、腰痛の多くは筋肉や骨、関節などの異常によるものです。
でも実は、「腰が痛い」原因はそれだけではないんです。
内臓の病気が、腰痛として現れることもあるんです。
しかもその中には、放置すると命に関わる重大な病気が隠れていることも。
今回は、「整形外科的な腰痛」と「内科的な腰痛」の違いを分かりやすく解説します。
「ただの腰痛だと思っていたら…」という事態を防ぐためにも、ぜひ知っておいてください。
◆ 「整形外科の腰痛」と「内科の腰痛」の違いとは?
まずは、症状から読み取れる違いのポイントを整理してみましょう。
🩺 整形外科的な腰痛の特徴
- 動くと痛みが強く、じっとしているとラクになる
- 前かがみや反らす姿勢で痛みが増す
- 特定の姿勢を取ると痛みが出る
- 腰を叩くとズーンと響く
- 足にしびれが出ることもある
こうした痛みの多くは、筋肉・関節・椎間板・神経などが関係しています。
🧬 内科的な腰痛の特徴
- じっとしていても痛む
- 姿勢を変えても痛みが変わらない
- 夜中に痛くて目が覚める
- 日を追うごとに痛みが悪化する
- 発熱、吐き気、血尿など他の症状もある
こういった場合は、内臓の病気が原因の可能性があります。
◆ 内臓の病気が原因で腰が痛むとき、どんな病気がある?
では、腰痛を引き起こす内科的な病気には、どんなものがあるのでしょうか?
① 尿路結石(腎結石・尿管結石)
腎臓や尿管にできた石が動き、尿の流れを妨げることで激痛を引き起こします。
主な症状:
- 突然襲ってくる激しい腰〜わき腹の痛み
- 痛みが波のように強まったり弱まったり
- 「七転八倒」と表現されるほどの激痛
- じっとしていられず、のたうち回る
- 吐き気・嘔吐
- 血尿が出ることも
→ 「腰の痛み」というより、「わき腹〜背中にかけて刺すような痛み」と感じる人が多いです。
② 腎盂腎炎(じんうじんえん)
腎臓が細菌に感染して炎症を起こす病気です。早期の治療が必要です。
主な症状:
- 背中〜腰の鈍い痛み
- 38度以上の高熱、悪寒、震え
- 腰を軽く叩くと強い痛みが響く
- 排尿時の痛み、頻尿
- 濁った尿、悪臭のある尿
→ 腰痛と熱が同時に出たら、すぐに受診を!
③ 膵炎(すいえん)
膵臓の炎症による病気で、飲酒や脂っこい食事が引き金になることも。
主な症状:
- 上腹部〜背中にかけての強い痛み
- 背中を丸めると少しラクになる
- 吐き気・嘔吐
- お腹の膨張感
- お酒を飲んだ後、脂っこい食事の後に悪化しやすい
→ 「お腹の病気かと思ったら、背中が痛む」ことがあり、腰痛と勘違いされやすいです。
④ 腹部大動脈瘤(ふくぶだいどうみゃくりゅう)
お腹の大動脈が風船のように膨らみ、破裂すると命に関わる病気です。
主な症状:
- 背中〜腰にかけての痛み
- お腹の中央にドクンドクンと脈打つしこりが触れる
- 徐々に強くなる痛み
- 破裂時には激痛・冷や汗・意識消失
→ 高血圧や喫煙歴のある高齢男性に多く見られます。
⑤ がん(膵臓がん・腎臓がん・大腸がんなど)
内臓のがんやその転移によって腰痛が現れることもあります。
主な症状:
- 慢性的な腰痛が徐々に悪化
- 夜間に痛みが強くなる
- 痛み止めが効かない
- 体重減少・食欲不振・疲労感
→ 「なんとなく続く腰痛」が、がんのサインだったケースも。
⑥ 子宮や卵巣の病気(女性)
子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮内膜症などで腰痛が出ることもあります。
主な症状:
- 生理周期に関連した腰の痛み
- 下腹部痛や不正出血を伴う
→ 女性の腰痛は、婦人科の病気も視野に入れて考えることが大切です。
◆ こんな腰痛は、すぐに受診を!
以下の症状があるときは、放置せずに早急な受診が必要です。
- 突然始まった強烈な腰や背中の痛み
- 安静にしていても改善しない痛み
- 発熱(38度以上)を伴う
- 血尿や尿の異常
- 足のしびれや力が入らない
- 尿や便が出ない・失禁する
- 冷や汗・顔色不良・意識がぼんやりする
→ これらは「救急車を呼ぶべき腰痛」の可能性もあります。
◆ 整形外科で異常なし。でも痛みが続くなら?
「整形外科でレントゲンを撮ったけど異常なし。でも痛みが取れない…」
そんなときは、内臓の病気を疑うタイミングかもしれません。
整形外科で異常が見つからない場合は、ぜひ内科も受診してください。
「整形外科で異常なし=安心」ではなく、「では他の原因を探そう」という姿勢が大切です。
◆ 腰痛+こんな症状があるなら要注意!
- 発熱・悪寒
- 吐き気・嘔吐
- 血尿・尿のにごり
- 下腹部の痛み・張り
- 便秘・下痢・血便
- 体重減少・食欲低下
- 夜間の強い痛み
→ 腰痛とセットで現れるこれらの症状は、診断の大きな手がかりになります。
◆ 年齢のせいにしないでください
「年だから、腰が痛いのは当たり前」と思い込んでしまうと、重大な病気の発見が遅れることも。
加齢で腰痛が起こりやすくなるのは事実ですが、「いつもと違う腰痛」には注意が必要です。
◆ 内科で行う検査とは?
内科では、腰痛の原因を見極めるために次のような検査を行います:
- 問診:痛みの性質、部位、発症時期、その他の症状など
- 診察:お腹の張り・圧痛・腫瘤の有無、背中を叩いたときの反応など
- 血液検査:炎症反応、腎機能・肝機能・膵臓酵素など
- 尿検査:血尿、タンパク尿、感染の有無
- 画像検査:腹部エコー、CT、MRIなど(必要に応じて)
→ レントゲンでは映らない病気も、これらの検査で見つかることがあります。
◆ 整形?内科?どこに行けばいいのか迷ったら…
「腰が痛いけど、整形外科?それとも内科?」──
そんなときは、迷わず内科へお越しください。
診察したうえで整形外科の方が適切であれば、ご紹介します。
反対に、整形外科から「内科に行ってください」と案内される方も多くいらっしゃいます。
◆ 痛み止めの長期使用に注意!
「とりあえず市販の鎮痛剤で…」と、長く痛み止めを飲み続けていませんか?
**NSAIDs(痛み止め)**を長期服用すると、胃潰瘍や腎障害を引き起こすリスクがあります。
「とりあえず痛みを抑える」より、「原因を突き止めて治す」ことを大切にしましょう。
◆ 見分け方のポイントはこれ!
難しく考えすぎなくて大丈夫。
以下の違いだけ、覚えておいてください。
💡 整形外科の腰痛:動くと痛い、じっとしていればラクになる
💡 内科の腰痛:じっとしていても痛い、+他の症状あり
このポイントを意識するだけで、「病院に行くべきタイミング」が見えてきますよ。
◆ 一人で抱え込まず、まずは相談を
「整形外科に行くほどではないし…」
「内科で診てもらっていいのか分からない…」──
そんなふうに思わず、どうぞ気軽にご相談ください。
「腰痛」は、立派な相談理由です。
特に、発熱・吐き気・血尿・倦怠感など他の症状があるなら、内臓のサインかもしれません。
私たちがしっかりお話をうかがい、必要な検査や治療をご案内します。
一緒に原因を見つけて、痛みのない快適な毎日を取り戻しましょう。

