『「腎臓」は沈黙の臓器──クレアチニンの数値が上がってきたら気をつけたいこと』
「健康診断で“クレアチニン”が少し高いって言われたけど、体調は悪くないから大丈夫でしょ」「腎臓?何も症状がないし気にしていない」──そんな風に思っていませんか?
実は、腎臓は“沈黙の臓器”と呼ばれるほど、悪くなっても症状が出にくい臓器なんです。
気づいたときには、かなり進行していて透析が必要になることも。
この記事では、
- 腎臓の大切な働き
- クレアチニンという数値の意味
- 腎臓を守るために今できること
についてお伝えします。
「まだ大丈夫」と見逃さず、今からできる対策を一緒に確認していきましょう。
腎臓ってどんな臓器?
腎臓は、背中側の腰のあたりに左右ひとつずつある、小さなそら豆のような臓器です。体の中では小さな臓器ですが、命を支える大切な役割を担っています。
腎臓の4つの主な働き
- 老廃物を体の外に出す
体の中で出た“いらないもの”を尿として出します。 - 水分・塩分・血圧の調整
体内のバランスを整える役割があります。 - 血液をつくるホルモンを出す
赤血球を作る「エリスロポエチン」というホルモンを分泌します。 - 骨を丈夫にする手助け
ビタミンDを活性化し、カルシウムの吸収を助けます。
クレアチニンって何?
**クレアチニン(Cre/Cr)**とは、筋肉を動かすときに生まれる“老廃物”のことです。
通常は腎臓でろ過されて尿と一緒に体の外に出ていきますが、腎機能が低下すると体内にたまり、血液中の数値が高くなります。
クレアチニンの基準値(目安)
- 男性:0.65〜1.07 mg/dL
- 女性:0.46〜0.79 mg/dL
これより高くなると、腎臓の働きが落ちているサインかもしれません。
ただし、筋肉量や年齢などによっても変わるので、**絶対的な指標ではなく“目安”**として見ましょう。
「少し高いだけ」を見逃さないで
「ほんの少し基準値を超えているだけ」と思っても、注意が必要です。
腎臓は“予備力”が高い臓器なので、機能が50%以下になっても症状が出ないこともあります。
つまり、クレアチニンが上がってきたということは、「すでに腎機能が半分以下になっている可能性がある」ということ。
早期の対応が、将来の透析予防につながります。
eGFRも一緒にチェックを
最近の健診では、**eGFR(推算糸球体濾過量)**という指標も出ることが多くなりました。
これは、年齢・性別・クレアチニン値から計算される「腎臓がどのくらい働いているか」を示す数値です。
eGFRの評価(mL/分/1.73m²)
- 90以上:正常
- 60〜89:軽度低下
- 45〜59:軽度〜中等度の低下
- 30〜44:中等度〜高度の低下
- 15〜29:高度低下(腎不全一歩手前)
- 15未満:腎不全(透析の検討が必要)
eGFRが60を切ったら、専門医での評価が必要です。
腎臓病は「症状が出にくい」からこそ要注意
腎臓病はかなり進行するまで症状が出にくいのが特徴です。
以下のような症状が出たときは、すでに病気が進んでいる可能性も。
- 顔や足のむくみ
- 疲れやすさ、だるさ
- 尿の量の変化、泡立ち
- 食欲不振や吐き気
- 息切れ、息苦しさ
症状がない今こそ、検査結果を見逃さないことが大切です。
腎臓を守るためにできること
腎臓の負担を減らし、進行を防ぐために、以下のことを心がけましょう。
✅ 血圧をコントロールする
目標:130/80mmHg未満(腎疾患のある方はさらに低めに)
毎日の家庭血圧測定が大切です。
✅ 血糖値をコントロールする
HbA1cは7.0%未満を目標に。糖尿病は腎臓に大きな負担をかけます。
✅ 塩分を控える
目標:1日6g未満
市販の調味料や外食に注意し、減塩を心がけましょう。
✅ タンパク質の摂りすぎに注意
腎機能が落ちている方は、タンパク質制限が必要な場合があります。
自己判断ではなく、医師・栄養士の指導を受けましょう。
✅ 水分を適切にとる
脱水は腎臓に負担をかけます。ただし、むくみが強い場合は制限が必要なこともあるので医師に相談を。
✅ 痛み止めの使いすぎに注意
ロキソニンやイブプロフェンなどを長期間使用すると腎臓を傷めることがあります。
✅ 禁煙する
タバコは腎臓の血管を傷つけ、進行を早めます。今からでも遅くありません。
✅ 定期的な検査を受ける
血液検査(クレアチニン、eGFR)+ 尿検査(尿タンパク・潜血)を定期的に。
健診の「要経過観察」は放置しないで
健康診断で「クレアチニン高値、要経過観察」と書かれていたら、必ず医療機関を受診してください。
“経過を見てください”は、“放っておいて大丈夫”ではありません。
放置すれば、腎機能は少しずつ悪化してしまいます。早めに対策すれば、透析を避けられるケースも多いんですよ。
最後に:あなたの腎臓を守るために
腎臓は沈黙の臓器です。症状がないからと安心せず、検査結果を「健康のサイン」として受け止めてください。
- クレアチニンが高い
- eGFRが低い
- 尿タンパクが出ている
…そんな結果があれば、ぜひ一度ご相談ください。
「気になることがあるけど、病院に行くほどでは…」そんな時こそ、私たちがサポートします。
健診結果をお持ちいただければ、一緒に確認しながら、今後どうすべきかをお話しします。
腎臓を守ることは、あなたらしい毎日を守ることにつながります。
早めの気づきと対策で、未来の健康を守っていきましょう。

