夜になると咳が出るのはなぜ?横になると悪化する原因と対策
はじめに:昼は大丈夫なのに、夜になると咳が出ることはありませんか?
「昼間はそれほど気にならないのに、夜になると咳が出る」
「布団に入ると咳が出て、なかなか眠れない」
「夜中に咳で目が覚めてしまう」
このような症状はありませんか?
夜の咳は睡眠の妨げになるだけでなく、体力の低下や日中の集中力低下にもつながります。
多くの方が、
「風邪のあとだから仕方ないかな」
「乾燥しているせいかもしれない」
と思いながら様子を見ています。
しかし、夜の咳には原因となる病気が隠れていることもあります。
今回は、夜になると咳が出やすくなる理由や、考えられる原因について分かりやすくご説明します。
なぜ夜になると咳が出やすくなるのでしょうか?
夜は体の状態が昼間とは少し変化します。
横になることで、
- 気道(空気の通り道)が狭くなりやすい
- 鼻水がのどへ流れやすくなる
- 胃酸が逆流しやすくなる
といった変化が起こります。
その結果、のどや気管が刺激され、咳が出やすくなります。
また夜間は、
- 気温の低下
- 空気の乾燥
- 自律神経の変化
なども影響し、咳が悪化しやすい環境になります。
夜に咳が出る主な原因
夜間の咳にはさまざまな原因があります。
① 咳喘息(せきぜんそく)
夜の咳で比較的多い原因の一つです。
咳喘息は、喘息のようなゼーゼー・ヒューヒューという症状がなくても起こることがあります。
特徴として、
- 夜間や明け方に咳が出やすい
- 横になると悪化する
- 季節の変わり目に悪化しやすい
- 冷たい空気で咳が出る
- 痰が少ない
などがあります。
放置すると気管支喘息へ進行することもあるため、早めの治療が大切です。
② 後鼻漏(こうびろう)
鼻水がのどへ流れ込むことで咳が出る状態です。
横になると鼻水がのどへ流れやすくなるため、夜間に症状が目立つことがあります。
特徴は、
- のどに何かが流れる感じがする
- 痰がからむような感覚がある
- 朝に咳が出やすい
- 鼻づまりや鼻水がある
ことです。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が関係していることもあります。
③ 逆流性食道炎
胃酸が食道へ逆流し、のどや気管を刺激することで咳が出ることがあります。
特に横になると胃酸が逆流しやすくなるため、夜間に症状が強くなる傾向があります。
特徴として、
- 横になると咳が出る
- 胸やけがある
- のどの違和感が続く
- 食後に咳が出やすい
などがあります。
夕食の内容や時間が関係している場合も少なくありません。
④ 感染後咳嗽(かんせんごがいそう)
風邪や新型コロナウイルス感染症などのあとに、気管が敏感な状態になることがあります。
この状態では、
- 冷たい空気
- 乾燥
- 会話
などのわずかな刺激でも咳が出やすくなります。
夜は乾燥しやすいため、症状が目立つことがあります。
⑤ 気管支炎
気管支に炎症が残ることで咳が続くことがあります。
特に、
- 痰を伴う咳
- 黄色や緑色の痰
- 咳が長引いている
場合は気管支炎が関係していることがあります。
寝室の環境も影響します
咳の原因は病気だけではありません。
寝室の環境が影響していることもあります。
例えば、
- 空気の乾燥
- ハウスダスト
- ダニ
- カビ
- 急な温度変化
などです。
特にアレルギー体質の方では、寝具や室内環境が咳の原因になっていることがあります。
今日からできる対策
ご自宅でできる工夫もあります。
部屋の乾燥を防ぐ
加湿器などを利用し、乾燥し過ぎない環境を保ちましょう。
目安は、
湿度50〜60%程度
です。
寝る直前の食事を控える
食後すぐ横になると胃酸が逆流しやすくなります。
夕食は、
就寝の2〜3時間前まで
に済ませるのがおすすめです。
枕を少し高めにする
上半身を少し高くすると、胃酸や鼻水の逆流を抑えられることがあります。
寝室を清潔に保つ
- 布団をこまめに干す
- シーツを洗濯する
- 室内を換気する
なども大切です。
受診をおすすめする目安
次のような場合は、一度ご相談ください。
- 夜の咳が続いている
- 咳で眠れない日が続く
- 3〜4週間以上咳が続いている
- 息苦しさがある
- 胸の痛みがある
- 咳が徐々に悪化している
咳の原因は一つとは限りません。
原因を確認することで、改善につながることも多くあります。
森川内科クリニックでできること
夜間の咳は、診察だけでは原因が分からないこともあります。
当院では症状を詳しくお聞きし、必要に応じて検査を行いながら原因を確認します。
症状に応じて、
- お薬による治療
- 吸入治療
- アレルギー治療
- 生活習慣の見直し
などをご提案しています。
患者さま一人ひとりの症状に合わせて治療を行います。
まとめ:夜の咳は我慢しなくて大丈夫です
夜ぐっすり眠れることは、体の回復や健康維持にとても大切です。
しかし、夜の咳が続くと、
- 睡眠不足
- 疲労の蓄積
- 日中の体調不良
につながることがあります。
夜の咳には、
- 咳喘息
- 後鼻漏
- 逆流性食道炎
- 感染後咳嗽
など、さまざまな原因が考えられます。
原因が分かれば改善できることも少なくありません。
「夜になると咳が出る」
「横になると咳がひどくなる」
という症状がある方は、一人で我慢せずお気軽にご相談ください。
安心して眠れる毎日を取り戻していきましょう。
執筆者プロフィール
森川 髙司
医療法人煌仁会 森川内科クリニック 理事長
専門:内科・消化器内科・呼吸器内科
地域の皆様の健康寿命延伸のため、生活習慣病の予防・改善指導に力を入れています。

