自分は大丈夫?〜おうちでできるSASセルフチェックと受診の目安〜

はじめに:「自分は当てはまるのかな」と思ったあなたへ

第2回では、睡眠時無呼吸症候群(SAS:サス)を放っておくと、高血圧や心臓・血管の病気などのリスクが高まること、そして早く気づくことが大切だとお話ししました。
読みながら、「もしかして自分も…?」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

こんにちは。森川内科クリニック理事長の森川髙司です。今回はその「もしかして」を、ご自宅で確かめるためのセルフチェックをご用意しました。
難しいものではありません。当てはまる項目に☐をつけていくだけです。最後に「受診の目安」もお伝えしますので、肩の力を抜いて、ご一緒に確認していきましょう。

結論:気づくいちばんの近道は、「サインに当てはまるか」を確認すること

先に結論をお伝えします。SASは、ご本人が眠っている間のことなので自分では気づきにくい病気ですが、夜・朝・日中のサインを並べてみると、「当てはまるかどうか」はかなりはっきりしてきます。
下のチェックリストで、思い当たる項目が多い方、特に「無呼吸を指摘された」「強い眠気で困っている」に当てはまる方は、一度受診して調べてみることをおすすめします。

大切な前提:このチェックは、SASに気づくための“きっかけ”です。これだけで診断はできません。
本当に無呼吸があるかどうかは検査をしてみないと分かりませんので、結果は「受診を考える目安」として活用してください。

まずチェック:あなたやご家族に、こんなサインはありませんか?

当てはまる項目の☐にチェックを入れてみてください。ご自身で分からない夜のことは、ご家族にたずねてみるのがおすすめです。

【夜のサイン】

☐  大きないびきを、毎晩のようにかくと言われる

☐  「寝ているとき、息が止まっていた」と指摘されたことがある

☐  寝ている間に、息苦しさやむせで目が覚めることがある

☐  夜中に何度もトイレに起きる

【朝のサイン】

☐  起きたときに、頭が重い・痛いことがある

☐  起きたとき、口やのどがカラカラに乾いている

☐  しっかり寝たはずなのに、熟睡した感じがない

【日中のサイン】

☐  日中に強い眠気がある(会議中・運転中・読書中などに、うとうとしてしまう)

☐  集中力が続かない、気づくと居眠りしている

☐  疲れやすい、気分が晴れない日が続く

【体質・背景のサイン】

☐  体型がふくよか、または首回りが太いほうだ

☐  あごが小さい、または下あごが後ろに引っ込んでいると言われる

☐  高血圧や糖尿病で治療中だ(特に、薬を飲んでも血圧が下がりにくい)

☐  寝る前にお酒を飲む習慣がある

いくつ当てはまったら、受診の目安ですか?

結論:数の多さよりも、「どの項目に当てはまるか」が大切です。次のいずれかに当てはまる方は、受診をおすすめします。

  • 「寝ているとき息が止まっていた」と指摘されたことがある(最も重要なサインのひとつです)。
  • 日中の強い眠気で、運転や仕事に支障や危険を感じることがある。
  • 高血圧の薬を飲んでいるのに、血圧がなかなか下がらない。
  • 上のチェックで、当てはまる項目が全体的に多い。

これらに当てはまらない場合でも、気になるサインがあれば、念のため相談していただいて構いません。「受診するほどではないかも」と迷う段階でのご相談を、私たちはいつでも歓迎しています。

家族にしか気づけないサインもあるって本当ですか?

本当です。SASのいちばん大事なサインである「睡眠中の無呼吸」は、ご本人は眠っているため気づけません。気づいてあげられるのは、隣で寝ているご家族です。

もしご家族のいびきや無呼吸が気になっている方は、責めるような言い方ではなく、「あなたの体が心配だから」という気持ちで、一度落ち着いて伝えてあげてください。『最近、寝ているとき息が止まっているように見えて心配なんだ』——そんな一言が、受診の、そして健康のきっかけになることがよくあります。

「何科に行けばいいの?」と迷ったときは

結論:まずはお近くの内科で大丈夫です。SASは、いびきや眠気だけの問題ではなく、高血圧などの全身の健康とつながっているため、内科で総合的に相談できます。当院でも、問診・検査からCPAPなどの治療・その後の管理まで一貫して対応しています。

「いびきや眠気で病院に行くのは大げさかな」と感じる必要はまったくありません。むしろ、生活習慣病の相談のついでに『実は、いびきも気になっていて』とお話しいただくくらいの気軽さで十分です。

今日からできること

  1. 上のチェックリストを、ご自身とご家族の両方の視点でつけてみる。
  2. 分からない夜のサインは、ご家族に「最近どう?」とたずねてみる。
  3. 当てはまる項目が多い、または重要なサインに該当したら、受診先(内科)を一つ決めておく。
  4. スマホのメモに、当てはまった項目を控えておく(受診時にそのまま伝えられて便利です)。

チェック結果は、受診時にとても役立つ情報になります。「いつ頃から」「どんなとき眠くなるか」「家族からどう言われたか」をメモして持って来ていただけると、その後の検査や説明がスムーズになります。

まとめと、次回の予告

今回は、SASに気づくためのセルフチェックと、受診の目安をお伝えしました。ポイントは、夜・朝・日中・体質のサインを並べて確認すること。そして「無呼吸を指摘された」「強い眠気で困っている」「血圧が下がりにくい」に当てはまる方は、一度受診して調べてみること。迷ったときは内科で相談できます。

「当てはまった。でも、検査ってこわい・大変なのでは…」——そう感じた方もご安心ください。次回の第4回は、「検査ってこわい・大変?〜SASの検査と診断の流れをやさしく解説〜」。自宅でできる簡易検査から、痛みのない検査の流れ、当院でのAIを活用した取り組みまで、具体的にご紹介します。

チェックで気になった方は、お気軽にご相談ください

「いくつか当てはまった」「家族に無呼吸を指摘された」という方は、ぜひ一度ご相談ください。検査をしてみないと分からないからこそ、調べて『大丈夫でした』と分かることにも、大きな安心があります。当院は地域のかかりつけ内科として、相談しやすい雰囲気づくりを心がけています。

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