お酒を飲まないのに脂肪肝?

実は増えている「隠れ脂肪肝」とは

はじめに:お酒を飲まないのに「脂肪肝」と言われた方へ

健康診断で、

「脂肪肝がありますね」

「肝機能の数値が少し高いですね」

と言われて驚かれたことはありませんか?

「お酒はほとんど飲まないのに、なぜ脂肪肝なのだろう?」

そう感じて不安になった方も多いのではないでしょうか。

脂肪肝というと、お酒をたくさん飲む方の病気というイメージがあります。しかし近年は、お酒をほとんど飲まない方にも脂肪肝が増えています。

このような脂肪肝は NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患) と呼ばれ、主な原因は生活習慣です。

特に、

  • 食べ過ぎ
  • 甘いものの摂り過ぎ
  • 果物の食べ過ぎ
  • 運動不足

などが関係しています。

年齢を重ねると代謝は少しずつ低下するため、若い頃と同じ食生活でも脂肪が蓄積しやすくなります。

幸い、脂肪肝は早い段階で気づき、生活習慣を見直すことで改善が期待できる病気です。

今回は、お酒を飲まない方にも起こる脂肪肝について、分かりやすくご説明します。


脂肪肝とは?症状が出にくい「沈黙の臓器」

脂肪肝とは、肝臓に脂肪がたまっている状態です。

肝臓は、

  • 栄養の処理
  • 解毒
  • エネルギーの貯蔵

などを行う、私たちの健康を支える大切な臓器です。

食事から摂ったエネルギーが余ると、中性脂肪として肝臓に蓄えられます。

その脂肪が増え過ぎた状態が脂肪肝です。

脂肪肝のやっかいな点は、自覚症状がほとんどないことです。

  • 痛みがない
  • 疲れなどの症状が出にくい
  • 体調の変化に気づきにくい

そのため、気づかないうちに進行し、健康診断で初めて指摘されるケースも少なくありません。


NAFLDとは?お酒を飲まなくても脂肪肝になる理由

最近増えているのが、

NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)

です。

名前のとおり、お酒が原因ではない脂肪肝を指します。

多くの場合、その背景には毎日の食生活や運動不足といった生活習慣が関係しています。

脂肪肝の原因になりやすい生活習慣

  • 食事量が多い
  • 間食が多い
  • 甘い飲み物をよく飲む
  • 運動習慣がない
  • 体重が増えてきた

「食べ過ぎているつもりはない」という方でも、間食や飲み物、果物などから想像以上に糖分を摂取していることがあります。


甘いもの・果物の摂り過ぎに注意

甘いものは生活の楽しみのひとつですよね。

  • 和菓子
  • ケーキ
  • チョコレート
  • せんべい
  • ジュース

少量であれば問題ありません。

しかし、毎日の習慣になると脂肪肝の原因になることがあります。

体に良い果物も「食べ過ぎ」には注意が必要です

果物はビタミンや食物繊維が豊富で、健康づくりに役立つ食品です。

一方で、糖分である「果糖」も含まれています。

果糖は中性脂肪に変わりやすく、摂り過ぎると脂肪肝の原因になることがあります。

例えば、

  • みかんを何個も食べる
  • ぶどうを1房食べる
  • バナナを毎日2本以上食べる
  • 果物ジュースをよく飲む

このような習慣には注意が必要です。

果物の目安量

1日あたり、片手にのる程度の量が目安です。

  • みかん:1〜2個
  • りんご:半分
  • バナナ:1本
  • キウイ:1〜2個

この程度であれば過度に心配する必要はありません。


健康診断で見られる数値(AST・ALT・γGTP)

脂肪肝は血液検査で見つかることがあります。

よく確認される項目は、

  • AST
  • ALT
  • γGTP

です。

特にALTが高い場合は脂肪肝が疑われることがあります。

健康診断で「少し高いですね」と言われた場合は、生活習慣を見直す大切なサインと考えましょう。


脂肪肝を放置するとどうなる?

「ただ脂肪がたまっているだけ」と思われがちですが、放置するとさまざまな病気につながる可能性があります。

  • 脂肪肝炎
  • 肝硬変
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 脂質異常症

などです。

脂肪肝は生活習慣病と深く関係している病気です。

だからこそ、早めに気づき対策することが大切です。


今日からできる脂肪肝の改善方法

特別な治療や厳しい食事制限が必要なわけではありません。

毎日の生活の中で、無理なく続けられることから始めてみましょう。

食事は腹八分を意識する

「少し物足りないかな」と感じるくらいがちょうど良い量です。

ゆっくりよく噛んで食べることで、食べ過ぎを防ぐことができます。

甘いものは毎日食べない

目安は週2〜3回程度です。

量を決めて楽しむようにしましょう。

果物は適量を守る

1日1種類、こぶし1つ分程度を目安にしましょう。

少し体を動かす

激しい運動は必要ありません。

おすすめは、

  • 散歩
  • ウォーキング
  • 買い物ついでに歩く

などです。

1日20分程度でも継続することで効果が期待できます。

体重を少し減らすだけでも改善が期待できます

体重の約5%を減らすことで、脂肪肝が改善することがあります。

例えば60kgの方なら約3kgです。

無理なく続けられる範囲で取り組みましょう。


森川内科クリニックでできる検査

脂肪肝は、

  • 血液検査
  • 超音波検査(エコー)

で確認することができます。

健康診断で、

「肝機能が高いと言われた」

「脂肪肝を指摘された」

という方は、そのままにせずお気軽にご相談ください。

「まだ受診するほどではないかも」と思われる方も、まずは一度ご相談いただければと思います。

患者さま一人ひとりの生活スタイルに合わせて、無理なく続けられる改善方法をご提案いたします。


まとめ:脂肪肝は早めの対策で改善できます

脂肪肝は決して珍しい病気ではありません。

お酒を飲まない方にも多く見られます。

  • 甘いものを少し控える
  • 果物は適量にする
  • 少し歩く習慣をつける

こうした小さな積み重ねが、脂肪肝の改善につながります。

肝臓は毎日休むことなく働き続けている大切な臓器です。

健康診断で指摘された今こそ、肝臓からの大切なサインに目を向ける良い機会かもしれません。

健康診断で脂肪肝や肝機能異常を指摘された方は、そのままにせず早めにご相談ください。

適切な検査と生活習慣の見直しによって、改善できる可能性があります。

執筆者プロフィール
森川 髙司
医療法人煌仁会 森川内科クリニック 理事長
専門:内科・消化器内科・呼吸器内科
地域の皆様の健康寿命延伸のため、生活習慣病の予防・改善指導に力を入れています。

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