健康診断で血糖値が高めと言われたら? 放置するとどうなる?糖尿病予備群を防ぐ方法
はじめに:「少し高めですね」と言われた方へ
健康診断の結果を見て、
「血糖値が少し高めですね」
「HbA1cがやや高いですね」
と言われたことはありませんか?
「まだ薬は必要ありません」
と言われると、
「それほど心配しなくても大丈夫かな」
と思われる方も多いかもしれません。
しかし、この“少し高め”の段階こそがとても重要です。
糖尿病は、ある日突然発症する病気ではありません。
血糖値が少しずつ上がり、気づかないうちに進行していくことが多い病気です。
反対に言えば、この段階で生活習慣を見直すことができれば、糖尿病の発症を防げる可能性があります。
今回は、血糖値が高くなる仕組みや、今日から始められる予防方法について分かりやすくご説明します。
血糖値とは?体を動かす大切なエネルギー源です
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の量のことです。
ブドウ糖は、私たちの体や脳を動かすための重要なエネルギー源です。
ご飯やパン、麺類、果物、お菓子などを食べると、体の中でブドウ糖に変わり、血液中に取り込まれます。
健康な状態では、血糖値は一定の範囲に保たれています。
これは膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンが働いているためです。
しかし、
- 食べ過ぎ
- 運動不足
- 体重の増加
などが続くと、インスリンの働きが弱くなり、血糖値が高い状態が続くようになります。
「糖尿病予備群」とはどんな状態?
健康診断でよく確認される項目に、
- 血糖値
- HbA1c(ヘモグロビンA1c)
があります。
HbA1cは、過去1〜2か月間の血糖値の平均を表す指標です。
HbA1cの一般的な目安
- 5.6%以下:正常
- 5.7〜6.4%:境界型(糖尿病予備群)
- 6.5%以上:糖尿病の可能性
「まだ治療は必要ありません」と言われても、安心しすぎないことが大切です。
糖尿病予備群の段階で生活習慣を見直すことで、将来の糖尿病を予防できる可能性があります。
血糖値が上がる主な原因
血糖値の上昇には、毎日の生活習慣が大きく関係しています。
炭水化物のとり過ぎ
特に、
- ご飯
- パン
- 麺類
などの炭水化物を過剰に摂ると、血糖値が上がりやすくなります。
「おかずは控えているけれど、ご飯はたくさん食べている」という方は注意が必要です。
甘いもの・甘い飲み物
特に気をつけたいのが飲み物です。
- ジュース
- スポーツドリンク
- 加糖コーヒー
- 乳酸菌飲料
飲み物は満腹感が少ないため、知らないうちに多くの糖分を摂取してしまうことがあります。
運動不足
運動量が減ると、血液中の糖が消費されにくくなります。
特に、
「以前より歩く機会が減った」
「デスクワークが増えた」
という方は注意が必要です。
食後の血糖値が上がりやすい方へ
最近注目されているのが、
食後高血糖
です。
食事のあとに血糖値が急激に上昇する状態を指します。
健康診断では空腹時血糖を測定することが多いため、見逃されることもあります。
次のような方は注意が必要です。
- 食後に強い眠気を感じる
- 甘いものがなかなかやめられない
- お腹まわりが気になる
- 家族に糖尿病の方がいる
当てはまる項目が多い方は、一度検査を受けることをおすすめします。
今日からできる血糖値対策
特別なことを始める必要はありません。
まずは無理なく続けられることから取り組んでみましょう。
ゆっくりよく噛んで食べる
早食いは血糖値を急上昇させやすくなります。
よく噛んでゆっくり食べることで、食べ過ぎの予防にもつながります。
野菜から食べる
食事の最初に野菜を食べることで、血糖値の上昇をゆるやかにする効果が期待できます。
おすすめの順番は、
野菜 → おかず → ご飯
です。
甘いものは毎日食べない
楽しみを我慢しすぎる必要はありません。
ただし毎日の習慣にならないよう、回数や量を決めて楽しみましょう。
食後に少し歩く
おすすめは、
食後10〜15分程度の散歩
です。
激しい運動でなくても、血糖値の改善に役立つとされています。
血糖値と脂肪肝は深く関係しています
血糖値が高い状態が続くと、
脂肪肝
につながることがあります。
また、脂肪肝がある方はインスリンの働きが低下しやすく、血糖値も上がりやすくなります。
つまり、
- 血糖値の上昇
- 脂肪肝
- 肥満
は互いに関係し合っているのです。
血糖値対策は、肝臓や将来の健康を守ることにもつながります。
森川内科クリニックでできる検査
血糖値は、
- 血液検査
- HbA1c検査
で確認することができます。
健康診断で、
「血糖値が高めと言われた」
「HbA1cが上がってきた」
という方は、早めにご相談ください。
「まだ受診するほどではないかも」
と思われる段階こそ、実は大切なタイミングです。
早めの対応によって、糖尿病の予防につながる可能性があります。
生活習慣についてのご相談も、お気軽にお声かけください。
まとめ:早めの対策で将来が変わります
糖尿病は、ある日突然発症する病気ではありません。
少しずつ進行していく病気だからこそ、
早めの気づきと対策
が大切です。
- 食事を見直す
- 軽い運動を続ける
- 適正体重を維持する
こうした小さな積み重ねが、将来の健康を守ることにつながります。
健康診断で血糖値やHbA1cの上昇を指摘された方は、そのままにせず一度ご相談ください。
森川内科クリニックでは、患者さま一人ひとりの生活スタイルに合わせた無理のない改善方法を一緒に考えてまいります。
執筆者プロフィール
森川 髙司
医療法人煌仁会 森川内科クリニック 理事長
専門:内科・消化器内科・呼吸器内科
地域の皆様の健康寿命延伸のため、生活習慣病の予防・改善指導に力を入れています。

