「噛む力」が弱っていませんか?胃腸を整え、脳を刺激する“よく噛む”8つの効能と維持法
「最近、食べるのが億劫…」「食後お腹が張る」そんな症状、噛む力の低下が原因かも
- 「柔らかいものばかり食べている」
- 「硬いものを噛むのが疲れる」
- 「食べ物が飲み込みにくい」
- 「食後に胃が重い、張る」
――そんな悩み、ありませんか?
年齢を重ねると、歯の状態や顎の筋力の影響で噛む力は自然と弱くなります。でも、“噛むこと”は単なる食事の動作ではなく、健康を守る重要な習慣なんです。
この記事では、
- よく噛むことの効能(消化・脳への刺激など)
- 噛む力が弱くなるサインと原因
- 噛む力を保つ方法と食事の工夫
を、わかりやすく説明します。
今日からすぐ実践できる内容なので、ぜひ読み進めてくださいね。
よく噛むってどういうこと?目安と考え方
子どもの頃、「よく噛んで食べなさい」と周りに言われたこと、ありますよね。
でも、よく噛むって具体的にはどれくらい?
一般的には
👉 一口につき30回噛むのが理想
と言われています。
ただし、現代人は平均で10〜15回しか噛んでいないというデータもあります。
まずは、
👉 今より“5回多く噛む”ことから始めてみましょう。
回数だけにこだわらず、「ゆっくり丁寧に噛む」という意識が大切です。
よく噛むことで得られる8つの健康メリット
1. 消化を助け、胃腸の負担を減らす
噛むことで食べ物が細かくなり、唾液と混ざって消化しやすくなります。
唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれ、胃腸への負担を軽くしてくれます。
👉 「食後にお腹が張る」「胃もたれがする」と感じる人は、噛む回数が少ない可能性があります。
2. 食べ過ぎを防ぎ、肥満を予防
よく噛むことで食事がゆっくりになり、脳の満腹中枢が働きやすくなります。
研究では、食事に20分以上かけると、少ない量でも満腹感を感じやすいことがわかっています。
つまり、よく噛むことは、肥満予防にもつながるのです。
3. 脳への刺激で記憶力・集中力アップ
噛む動作は脳への血流を増やし、刺激を与えます。
研究によると、よく噛むことで記憶力や集中力が高まることが確認されています。
また、「歯が20本以上ある人」と「歯がほとんどない人」では、認知症リスクが約1.9倍違うというデータもあります(※)。
噛むことは、認知症予防にも役立つ可能性があるのです。
4. 唾液がたくさん出るようになる
よく噛むと唾液の分泌が促進されます。
唾液には次のような役割があります:
- 消化を助ける
- 口の中を清潔に保つ → 虫歯・歯周病予防
- 口内粘膜を保護
- 味覚を感じやすくする
特に高齢になると唾液が減りやすいので、噛むことは唾液分泌を促す良い方法です。
5. 食事の味が豊かになる
噛む回数が増えると、食べ物の香りや旨味をより感じられるようになります。
早食いでは味わう前に飲み込んでしまいがち。
ゆっくり噛むことで、食事そのものを楽しめるようになります。
6. 顎の筋肉を鍛えられる
噛むという行為は、顎の筋肉も使います。
使わないと筋肉は衰え、どんどん噛む力が弱くなってしまうため、顎の筋肉を鍛える習慣が大切です。
7. 誤嚥を防ぐ
噛むことで食べ物が飲み込みやすくなり、食道へ送り込みやすくなります。
これは、誤嚥性肺炎の予防にもつながります。
8. 表情筋を動かして若々しく
噛む動作は、口周りの表情筋も動かします。
結果として、表情が豊かになり、若々しい印象にもつながります。
こんなサインがあったら、噛む力が弱っているかも…
- なかなか硬いものが噛めない
- 柔らかいものばかり選ぶ
- 食事に時間がかかる(あるいは逆に早く飲み込む)
- 食べ物が口の中に残る
- 飲み込みにくい
- むせることが増えた
- 食後に疲れやすい
こうした症状がある人は、「噛む力が弱くなっているサイン」かもしれません。
どうして噛む力は弱くなるの?
① 歯の状態が悪い
- 虫歯や歯周病
- 歯が抜けてしまった
- 入れ歯が合わない
歯がしっかり噛めないと、噛まない → 顎の筋肉が衰える → 噛めなくなる…という悪循環が起こります。
② 顎の筋肉が衰えた
全身の筋力と同じように、顎の筋肉も使わないと衰えます。
柔らかいものばかり食べると、どんどん噛む力が弱くなってしまいます。
③ 唾液が減っている
口が乾くと、食べ物がまとまりにくく、噛みづらくなります。
唾液の減少は薬の副作用でも起こることがあります。
④ 飲み込む力の低下(嚥下機能の低下)
噛む力だけでなく、飲み込む力そのものが弱くなることもあります。
これは、「嚥下障害」と呼ばれ、放置すると誤嚥の原因になることも。
噛む力を保つための方法(すぐ始められる)
方法1:歯を大切にする
- 毎日の歯磨き
- 歯科検診(半年に1回)
- 歯周病・虫歯の治療
- 合わない入れ歯は調整を
歯が痛い・合わない入れ歯を我慢している人は、必ず歯科へ相談しましょう。
方法2:よく噛む習慣をつける
- 一口 30回噛む を目指す
- まずは あと5回多く噛む
- 食事に 20分以上かける
最初は意識するのが大変でも、続けるうちに自然とできるようになります。
方法3:噛みごたえのある食材を取り入れる
噛む力を鍛えるには、噛みごたえのある食材も大切。ただし、無理は禁物です。
おすすめの食材:
- 根菜類(ごぼう・れんこん・にんじん)
- きのこ類
- こんにゃく
- 海藻類
- ナッツ類
- 昆布、するめ
※硬すぎるものは避けてください。
「ちょっと噛みごたえがある」レベルでOKです。
方法4:顎の体操
簡単な顎の体操で、顎の筋肉と唾液分泌を促しましょう:
顎の体操(目安)
- 口を大きく開けて「アー」5秒
- 横に広げて「イー」5秒
- すぼめて「ウー」5秒
- 顎を前後左右にゆっくり動かす
食事前にやると、唾液が出やすくなります。
方法5:唾液腺マッサージ
唾液が少ないと感じる時は、マッサージもおすすめです:
- 耳下腺:耳の下を円を描くように優しくマッサージ
- 顎下腺:顎の下を親指でやさしく押す
- 舌下腺:顎の下から舌を軽く押し上げる
食事前に行うと、唾液分泌が促されます。
方法6:水分補給を意識する
食事中にお茶や水を少しずつ飲むだけで、噛みやすさと飲み込みやすさが格段に変わります。
特に高齢の方は、こまめな水分補給が大切です。
食べ方・料理の工夫も役立ちます
① 食材の大きさを調整する
- 一口大に切る
- 食べやすい大きさで噛みやすくする
② 柔らかく調理する(そして噛む食材も織り交ぜる)
- 煮る・蒸す(柔らかくなります)
- 圧力鍋を使う
- 肉は薄切りに
- 野菜は繊維を断つように切る
やわらかさと噛みごたえのバランスが大事です。
③ とろみをつける料理
とろみをつけると、飲み込みやすさがアップ:
- あんかけ料理
- とろみ剤で調整
④ 水分多めの食事
- スープやみそ汁と一緒に
- あんかけやタレで食べる
ただし、柔らかいものばかりに偏るのは逆効果。バランスが大切です。
ご家族の方へ|日々の食事の様子、気にかけていますか?
家族の食事を見るとき、こんな点に注意してください:
- 食事の時間が異常に短い・長い
- 柔らかいものばかり
- むせる様子が増えた
- 食べる量が減った
こうした変化があれば、早めに歯科や内科に相談することをおすすめします。
食事は健康の基本です。早めの対応が安心につながります。
今日からできる、噛む力を保つ習慣
- 一口あと5回多く噛む
- 20分以上かけて食べる
- 時々噛みごたえのある食材を取り入れる
- 食前に顎の体操をする
- 歯を大切にする
これだけでも、少しずつ効果が実感できます。
まとめ|「噛む力」は健康の入り口
「噛む」という行為は、消化と栄養吸収だけでなく、脳や全身の健康と密接につながっています。
👉 消化を助け
👉 食べ過ぎを防ぎ
👉 脳を刺激し
👉 口腔機能を維持する
噛む力を大切にすることは、健康長寿を目指すうえで、とても大きな一歩です。
お悩みの方は、ぜひご相談ください
- 「噛む力が弱くなった気がする」
- 「飲み込みが不安」
- 「むせることが増えた」
- 「食事の楽しさを取り戻したい」
そんな方は、いつでもクリニックに相談に来てください。
嚥下の状態チェックから、必要な検査・専門医紹介までしっかりサポートします。
🦷「噛む力」は、「食べる力」であり、
「生きる力」でもあります。
よく噛んで、味わって、楽しんで——
これからも豊かな食事と健康な毎日を一緒に目指しましょう。

