頭痛が続くとき、内科に相談すべき症状は?危険なサインと見逃せない頭痛の見分け方を解説

ほとんどの頭痛は深刻ではありません。しかし、すぐに対応すべき頭痛もあります

こんにちは。兵庫県尼崎市の森川内科クリニック、理事長の森川髙司です。

頭痛は、多くの方が経験する身近な症状です。

睡眠不足、疲労、肩や首のこり、片頭痛などによって起こることが多く、頭痛があるからといって、すぐに重大な病気を意味するわけではありません。

一方で、ごく一部には、

  • くも膜下出血
  • 脳出血・脳梗塞
  • 髄膜炎・脳炎
  • 急性緑内障発作
  • 高血圧緊急症

など、緊急の治療が必要な病気が隠れていることがあります。

大切なのは、すべての頭痛を怖がることではありません。

いつもの頭痛と異なる点や、危険な症状がないかを確認することです。


まず確認|次の頭痛は、ためらわず119番を検討してください

次のような症状がある場合は、この記事を読み進めるより先に、救急車を呼ぶことを検討してください。

  • 突然始まった、これまでに経験したことのない激しい頭痛
  • 数秒から数分以内に、痛みが最も強くなった
  • 「バットで殴られた」「雷が落ちた」ように感じる頭痛
  • 顔の片側がゆがむ
  • 片方の手足に力が入らない、しびれる
  • ろれつが回らない、言葉が出ない
  • 急に見えにくくなった、視野が欠けた
  • 意識がもうろうとしている、反応がおかしい
  • けいれんを起こした
  • 支えなしでは立てないほど急にふらつく
  • 高熱と強い頭痛があり、首が硬く前へ曲げにくい
  • 頭を強く打った後に、頭痛や吐き気、眠気が強くなっている

消防庁も、突然の激しい頭痛、急なふらつき、意識の異常などを、すぐに119番通報を考える症状として案内しています。

特に、突然発症して短時間で最も強くなる「雷鳴頭痛」は、くも膜下出血などの可能性があります。痛みが少し治まっても、自宅で様子を見ないでください。

自分で車を運転して病院へ向かうことは避け、救急車を利用してください。


頭痛は大きく2種類に分けられます

頭痛は、大きく次の2つに分けられます。

分類内容主な例
一次性頭痛頭痛そのものが病気片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛
二次性頭痛別の病気が原因で起こる頭痛くも膜下出血、脳卒中、髄膜炎、頭部外傷など

多くの方が経験するのは、片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛です。

一次性頭痛は一般に命へ直接関わるものではありませんが、症状が頻繁になると、仕事、家事、学業、睡眠などへ大きな影響を及ぼします。

二次性頭痛は頻度としては多くありませんが、原因によっては一刻を争います。

そのため、頭痛の診療では、まず危険な二次性頭痛が疑われないかを確認し、そのうえで片頭痛や緊張型頭痛などを考えます。


よくある一次性頭痛の特徴

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、頭の周囲や後頭部、首に、締めつけられるような痛みが生じる頭痛です。

主な特徴には、次のようなものがあります。

  • 頭の両側が痛むことが多い
  • 帯やヘルメットで締めつけられるように感じる
  • 首や肩のこりを伴う
  • 痛みは軽度から中等度
  • 歩行などの日常動作で大きく悪化しにくい
  • 吐き気はあっても強くないことが多い

長時間のデスクワーク、同じ姿勢、精神的な緊張、睡眠不足などが関係することがあります。

頻度が少なく生活に支障がなければ治療を必要としない場合もありますが、頻度や重症度が増している場合や、市販薬を繰り返し使っている場合は受診が勧められます。

片頭痛

片頭痛は、ズキンズキンと脈打つような痛みが代表的な頭痛です。

主な特徴は次のとおりです。

  • 片側または両側が痛む
  • 中等度から強い痛み
  • 体を動かすと悪化しやすい
  • 吐き気や嘔吐を伴う
  • 光、音、においをつらく感じる
  • 数時間から数日続くことがある

「片頭痛」という名前ですが、必ず片側だけが痛むとは限りません。

また、一部の方には頭痛の前に、

  • 視界がチカチカする
  • ギザギザした光が見える
  • 視野の一部が見えにくくなる
  • 手や口の周囲がしびれる
  • 言葉が出にくくなる

などの前兆が現れることがあります。

片頭痛では、脈打つような痛み、吐き気、光や音への過敏、動作による悪化などがみられます。

ただし、初めて麻痺や言葉の障害が出た場合は、片頭痛の前兆と自己判断せず、脳卒中を疑って救急受診してください。

群発頭痛

群発頭痛は、片側の目の奥を中心に、非常に強い痛みが起こる頭痛です。

  • 片側の目の奥がえぐられるように痛む
  • 一定期間、ほぼ毎日同じ時間帯に起こる
  • 目の充血や涙
  • 鼻水、鼻づまり
  • まぶたの腫れや垂れ下がり
  • 痛みのため、じっとしていられない

などが特徴です。

群発頭痛は一次性頭痛ですが、痛みが非常に強いため、自己流で我慢せず、頭痛専門医や脳神経内科などへ相談してください。


いつもの頭痛でも「変化」があれば注意が必要です

以前から片頭痛や緊張型頭痛がある方でも、次のような変化がある場合は、いつもの頭痛と決めつけないでください。

  • 突然、痛み方が変わった
  • これまでより明らかに強い
  • 頭痛の回数が急に増えた
  • 日ごとに痛みが強くなっている
  • 頭痛が長く続くようになった
  • 寝ている途中で目が覚めるほど痛む
  • 朝方に強く、嘔吐を伴う
  • 咳、くしゃみ、力み、運動などで突然悪化する
  • 姿勢によって大きく変化する
  • 発熱や体重減少を伴う
  • 物が二重に見えるなど、新しい症状がある

頭痛の性質や頻度が変わった場合は、二次性頭痛がないか確認する必要があります。


すぐ救急ではなくても、早めに内科へ相談したい頭痛

次のような場合は、緊急サインがなくても、内科、脳神経内科、脳神経外科、頭痛外来などへご相談ください。

  • 週に何度も頭痛が起こる
  • 月の半分近く頭が痛い
  • 仕事や家事、学校を休むことがある
  • 頭痛で寝込むことがある
  • 市販薬が効きにくくなった
  • 鎮痛薬の使用回数が増えている
  • 吐き気や嘔吐を伴う頭痛を繰り返す
  • これまでと頭痛のパターンが違う
  • 徐々に頻度や強さが増している
  • 50歳以降に初めて明らかな頭痛が始まった
  • がんや免疫機能低下の治療を受けている
  • 妊娠中または産後に、新しい強い頭痛が始まった

「緊急ではなさそう」ということと、「受診しなくてよい」ということは同じではありません。

市販薬だけで長期間しのいでいる場合も、一度頭痛の種類を確認することで、より適した治療を受けられる可能性があります。


頭痛薬の使いすぎで、頭痛が悪化することがあります

「薬剤の使用過多による頭痛」とは?

片頭痛や緊張型頭痛がある方が、痛み止めや片頭痛の発作時治療薬を頻繁に使い続けると、次第に頭痛の回数が増え、慢性化することがあります。

これを薬剤の使用過多による頭痛といいます。

次のような悪循環が起こります。

  1. 頭痛が起きる
  2. 鎮痛薬を飲む
  3. 一時的に軽くなる
  4. 再び頭痛が起きる
  5. 薬を飲む回数が増える
  6. 頭痛そのものが起こりやすくなる

日本頭痛学会も、鎮痛薬やトリプタンなどを過剰に使用すると、頭痛の頻度が増え、連日のように頭痛が起こる場合があると説明しています。

何日使うと「使いすぎ」ですか?

目安となる日数は、薬の種類によって異なります。

一般に、3か月を超えて次のような使用が続く場合は注意が必要です。

  • トリプタン、複合鎮痛薬など:月10日以上
  • 単一成分の鎮痛薬など:月15日以上

ただし、診断は単に使用日数だけでなく、月15日以上の頭痛があるか、薬の使用によって頭痛が悪化しているかなどを含めて判断します。

市販薬であっても安全に無制限に使えるわけではありません。

日本頭痛学会は、鎮痛薬の使用を週1~2日程度にとどめることを一般向けに案内しています。

自己判断で急に薬をやめるべきですか?

薬剤の使用過多による頭痛では、原因となる薬の中止が治療の中心になります。

ただし、使用中の薬の種類、頭痛の頻度、持病などによって、適切な進め方は異なります。薬を中止した直後に一時的に頭痛が悪化したり、吐き気が強くなったりする場合もあります。

自己判断で無理に中止するのではなく、医師と相談しながら、

  • 使用中の薬を整理する
  • 発作時治療薬の使い方を見直す
  • 片頭痛の予防薬を検討する
  • 頭痛ダイアリーを付ける

などの方法で進めましょう。

日本頭痛学会は、原因薬の中止、離脱時の頭痛への対応、予防薬の使用を治療の柱として挙げています。


血圧が高いと頭痛が起こるのでしょうか?

日常的な高血圧には症状がないことが多いです

「頭が痛いから血圧が高い」

「血圧が高いから頭痛がする」

と考える方は少なくありません。

しかし、通常の高血圧は自覚症状がないことが多く、軽度から中等度の血圧上昇が頭痛の主な原因になるとは限りません。

一方、痛みや不安によって、一時的に血圧が上がることもあります。

そのため、頭痛時に血圧が高かった場合でも、

  • 頭痛によって血圧が上がったのか
  • 高血圧による臓器障害が起きているのか
  • 頭痛と血圧が別々の問題なのか

を分けて考える必要があります。

非常に高い血圧と神経症状がある場合は緊急です

血圧が180/120mmHg以上など非常に高い状態に加えて、

  • 強い頭痛
  • 視覚の異常
  • 手足のしびれや脱力
  • 言葉が出にくい
  • 胸痛
  • 息苦しさ
  • 意識の変化

などがある場合は、高血圧緊急症や脳卒中などの可能性があります。

1分以上安静にして測り直しても極端に高く、上記の症状がある場合は、ためらわず119番へ連絡してください。

症状がなくても極端に高い値が続く場合は、自己判断で薬を追加せず、その日のうちに医療機関へ相談しましょう。


頭を打った後の頭痛は、いつまで注意が必要ですか?

頭を打った直後に問題がなくても、数時間から数日後に症状が現れることがあります。

特に、

  • 頭痛がだんだん強くなる
  • 何度も吐く
  • 眠気が強い
  • 会話がおかしい
  • 歩き方がおかしい
  • 手足が動かしにくい
  • けいれん
  • 意識を失った
  • 鼻や耳から透明な液体や血が出る

場合は、救急受診が必要です。

また、

  • 高齢者
  • 血液を固まりにくくする薬を飲んでいる方
  • 出血しやすい病気がある方

は、比較的軽い転倒や打撲でも頭蓋内出血を起こすことがあります。

頭部外傷後に突然または強い頭痛、視覚異常、混乱、脱力などが現れた場合は、緊急評価が必要です。


発熱と頭痛がある場合

風邪やインフルエンザなどでも、発熱と頭痛は起こります。

ただし、

  • 高熱
  • 強い頭痛
  • 首が硬くて前へ曲げにくい
  • 光をまぶしく感じる
  • 意識がぼんやりする
  • けいれん
  • 押しても消えない赤紫色の発疹

などがある場合は、髄膜炎や脳炎などの可能性があります。

このような場合は、診療時間まで待たず、救急受診を検討してください。


目の痛みや見え方の異常を伴う頭痛

頭痛とともに、

  • 片目が急に強く痛む
  • 目が赤い
  • かすんで見える
  • 光の周りに虹の輪が見える
  • 吐き気や嘔吐を伴う
  • 急に視力が落ちた

場合は、急性緑内障発作など、眼科の緊急疾患の可能性があります。

頭痛だから内科だけと決めず、急な視覚異常や眼痛がある場合は、早急に救急医療機関や眼科へ相談してください。


妊娠中・産後の新しい頭痛には注意が必要です

妊娠中や産後には、片頭痛の変化だけでなく、

  • 妊娠高血圧症候群
  • 脳静脈血栓症
  • 脳卒中
  • 可逆性脳血管攣縮症候群

などが頭痛の原因になることがあります。

特に、

  • 妊娠20週以降または産後に新しく始まった強い頭痛
  • 視界がチカチカする、見えにくい
  • 血圧が高い
  • みぞおちや右上腹部が痛い
  • 顔や手が急にむくむ
  • 息苦しい
  • けいれん

などがある場合は、早急に産科または救急医療機関へ相談してください。


頭痛で受診するとき、何を伝えればよいですか?

頭痛の診断では、「どのような頭痛か」を詳しく確認することが重要です。

次の内容を整理しておくと、診察の助けになります。

いつから始まったか

  • 初めて起きたのはいつか
  • 突然か、徐々にか
  • 今回の頭痛はいつ始まったか

頭痛の頻度

  • 月に何日あるか
  • 週に何回あるか
  • 以前より増えているか

痛む場所

  • 片側か両側か
  • こめかみ
  • 後頭部
  • 頭全体
  • 目の奥
  • 首から後頭部

痛み方

  • ズキンズキンする
  • 締めつけられる
  • 重い
  • 刺すように痛む
  • 電気が走るように痛む
  • 突然爆発するように痛む

持続時間

  • 数秒
  • 数分
  • 数時間
  • 数日

頭痛を悪化・改善させるもの

  • 歩行や階段
  • 咳やくしゃみ
  • 入浴
  • 睡眠
  • 食事
  • 月経
  • 天候
  • 飲酒
  • ストレス
  • 姿勢

頭痛と一緒に起こる症状

  • 吐き気、嘔吐
  • 光や音への過敏
  • 目のチカチカ
  • しびれ
  • 脱力
  • 言葉の障害
  • 発熱
  • 首の硬さ
  • 目の痛み
  • 鼻水や涙
  • 意識の変化

使用している薬

  • 市販の鎮痛薬
  • 処方された頭痛薬
  • 月に使用する日数
  • 1回の服用量
  • 効果があるか
  • 薬が切れると再び痛むか

頭痛ダイアリーを付けましょう

繰り返す頭痛では、頭痛ダイアリーが診断や治療に役立ちます。

記録する内容は、次のようなもので構いません。

  • 頭痛が起きた日
  • 始まった時刻
  • 痛みの強さ
  • 痛む場所と痛み方
  • 吐き気、光・音過敏などの症状
  • 月経、天候、睡眠、飲酒などの状況
  • 使用した薬
  • 薬が効いたか
  • 仕事や家事を休んだか

頭痛がない日も分かるように記録すると、月の頭痛日数や薬の使用日数を把握しやすくなります。

完璧に書く必要はありません。カレンダーへ印を付けるだけでも役立ちます。


頭痛ではどのような検査をしますか?

すべての頭痛でCTやMRIが必要なわけではありません。

診察ではまず、

  • 頭痛の経過
  • 痛み方
  • 神経症状
  • 発熱
  • 血圧
  • 持病
  • 頭部外傷
  • 使用薬

などを確認します。

必要に応じて、

  • 神経学的診察
  • 血液検査
  • CT
  • MRI
  • 髄液検査
  • 眼科的検査

などを検討します。

典型的な片頭痛や緊張型頭痛で、神経学的な異常や危険なサインがない場合は、画像検査を行わず診断できることもあります。

一方、突然の激しい頭痛、神経症状、発熱、外傷、これまでと違う頭痛などがある場合は、早急な検査が必要になることがあります。


片頭痛には市販薬以外の治療もあります

片頭痛の治療には、大きく分けて次の2つがあります。

頭痛発作が起きたときの治療

  • 一般的な鎮痛薬
  • トリプタン製剤
  • ラスミジタン
  • 吐き気止め

などを、症状や持病に合わせて使用します。

頭痛が起きにくくなるようにする予防治療

頭痛が頻繁に起こる場合や、生活への支障が大きい場合は、

  • 内服の予防薬
  • 抗CGRP抗体薬など
  • 生活習慣の調整

を検討します。

日本頭痛学会も、片頭痛予防に用いるCGRP関連抗体薬などについて指針を示しています。

「痛くなったら市販薬を飲む」以外にも選択肢があります。

市販薬の使用回数が増えている方や、頭痛で生活が制限されている方は、医療機関へ相談してください。


森川内科クリニックにできること

当院は、JR塚口駅から徒歩3分、尼崎市上坂部・ミリオンタウン塚口2階にある内科・消化器内科クリニックです。

緊急サインがある場合は119番を

次のような場合は、当院の予約や一般外来を待たず、119番へ連絡してください。

  • 突然の激しい頭痛
  • 麻痺や言葉の障害
  • 意識の異常
  • けいれん
  • 高熱と首の硬さ
  • 頭部外傷後に症状が悪化している

くも膜下出血、脳卒中、髄膜炎などが疑われる場合は、救急医療機関での迅速な検査と治療が必要です。

繰り返す頭痛をご相談いただけます

次のような頭痛は、当院へご相談ください。

  • 頭痛を繰り返している
  • 片頭痛か緊張型頭痛か分からない
  • 市販薬の回数が増えている
  • 薬が以前ほど効かない
  • 頭痛で仕事や生活に支障がある
  • いつもの頭痛と少し違う
  • 血圧や睡眠も気になる

症状や服薬状況を確認し、危険な二次性頭痛が疑われないかを評価します。

必要に応じて、脳神経内科、脳神経外科、頭痛専門外来、眼科などへご紹介します。

血圧や睡眠も合わせて確認します

頭痛と高血圧が必ず直接関係するわけではありませんが、頭痛をきっかけに血圧の異常が見つかることがあります。

また、

  • いびき
  • 睡眠中の呼吸停止
  • 朝の頭痛
  • 日中の強い眠気
  • 熟睡感がない

といった症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群が関係していることもあります。

当院では、高血圧などの生活習慣病と、睡眠時無呼吸症候群の検査・CPAP療法の管理にも対応しています。


まとめ|突然の頭痛は救急、繰り返す頭痛は我慢せず相談を

頭痛について、大切な点をまとめます。

1.突然始まり、短時間で最も強くなる頭痛は119番を検討してください。

「今までで一番」「殴られたような痛み」は、くも膜下出血などの可能性があります。

2.麻痺、言葉の障害、意識異常、けいれんを伴う頭痛は緊急です。

頭痛の強さにかかわらず、脳卒中などを疑って救急要請してください。

3.高熱と首の硬さを伴う頭痛は、髄膜炎などの可能性があります。

診療時間を待たず、救急受診を検討しましょう。

4.頭を打った後は、時間がたってから症状が悪化することがあります。

頭痛の増悪、繰り返す嘔吐、強い眠気、会話や歩行の異常がある場合は救急受診してください。

5.市販の鎮痛薬を頻繁に使うと、頭痛が慢性化することがあります。

薬の使用日数が増えている方は、自己流で続けず医師へ相談しましょう。

6.片頭痛や緊張型頭痛にも、適切な治療があります。

我慢や市販薬だけでやり過ごさず、生活へ支障がある場合は受診してください。

頭痛の多くは、適切に診断し、治療方法を選ぶことでコントロールできます。

危険な頭痛を見逃さないことと同時に、繰り返す頭痛を「いつものこと」と我慢し続けないことも大切です。


突然の激しい頭痛、麻痺、言葉の障害、意識の異常、けいれんなどがある場合は、当院の予約ではなく、ためらわず119番へ連絡してください。

頭痛についてよくあるご質問

Q1.どのような頭痛なら、すぐに救急受診すべきですか?

A.突然始まった激しい頭痛や、麻痺・言葉の障害・意識の異常などを伴う頭痛は、ためらわず119番へ連絡してください。

特に、次のような症状は緊急性が高い可能性があります。

  • 突然始まり、数秒から数分で最も強くなった頭痛
  • 「今までで一番痛い」「殴られたような」と感じる頭痛
  • 片方の手足に力が入らない、しびれる
  • 顔の片側がゆがむ
  • ろれつが回らない、言葉が出ない
  • 急に見えにくくなった、視野が欠けた
  • 意識がもうろうとしている、反応がおかしい
  • けいれんを起こした
  • 支えなしでは立てないほど急にふらつく
  • 高熱と強い頭痛があり、首が硬く前へ曲げにくい
  • 頭を強く打った後、頭痛や嘔吐、眠気が悪化している

これらは、くも膜下出血、脳卒中、髄膜炎、頭蓋内出血などの可能性があります。消防庁も、突然の激しい頭痛、急なふらつき、意識の異常などを、すぐに119番を考える症状として案内しています。

症状が少し治まっても、自分で運転して病院へ向かわず、救急車を利用してください。


Q2.頭痛が続くときは、何科を受診すればよいですか?

A.緊急症状がなく、繰り返す頭痛や長引く頭痛は、まず内科、脳神経内科、脳神経外科、頭痛外来などへご相談ください。

内科では、頭痛の経過、痛み方、血圧、発熱、服用中の薬、神経症状などを確認し、危険な病気が疑われないかを判断します。

必要に応じて、

  • 脳神経内科
  • 脳神経外科
  • 頭痛専門外来
  • 眼科
  • 耳鼻咽喉科

などへご紹介します。

次のような頭痛は、緊急でなくても早めの受診をおすすめします。

  • 頭痛を週に何度も繰り返す
  • 仕事や家事、学校に支障が出ている
  • 頭痛の回数や強さが増えている
  • これまでと痛み方が変わった
  • 市販薬を使う日が増えている
  • 50歳以降に初めて明らかな頭痛が始まった
  • がん治療中、免疫機能が低下している
  • 妊娠中や産後に新しい強い頭痛が始まった

突然の激しい頭痛や麻痺、意識障害などがある場合は、診療科を探すより先に119番へ連絡してください。


Q3.片頭痛と緊張型頭痛は、どのように違いますか?

A.代表的な特徴は異なりますが、症状が重なる場合もあり、自己判断だけでは見分けにくいことがあります。

特徴片頭痛緊張型頭痛
痛み方ズキンズキンと脈打つことが多い圧迫・締めつけられるような痛み
痛む場所片側または両側両側が多い
痛みの強さ中等度~強い軽度~中等度
動いたとき悪化しやすい悪化しにくい
吐き気伴うことがある強い吐き気は少ない
光・音への過敏伴うことがある通常は目立たない
持続時間4~72時間程度30分~数日

片頭痛は「片側の頭痛」という名前ですが、両側が痛む方もいます。動作で悪化し、吐き気や光・音への過敏を伴うことが特徴です。

緊張型頭痛は、両側性で、締めつけられるような非拍動性の痛みが多く、日常動作では悪化しにくいとされています。

ただし、両者の特徴が重なる場合もあります。初めての頭痛、いつもと違う頭痛、頻度が増えている頭痛は、一度受診して確認しましょう。


Q4.頭痛薬は毎日飲んでも大丈夫ですか?

A.毎日のように飲み続けることは避け、使用日数が増えている場合は医師へ相談してください。

片頭痛や緊張型頭痛のある方が鎮痛薬や発作時治療薬を頻繁に使うと、かえって頭痛が増え、慢性化することがあります。

これを薬剤の使用過多による頭痛といいます。

注意が必要な使用日数は、薬の種類によって異なります。一般に、3か月を超えて次のような使用が続く場合は注意が必要です。

  • トリプタン、複合鎮痛薬など:月10日以上
  • 単一成分の鎮痛薬など:月15日以上

ただし、診断は薬の使用日数だけではなく、月15日以上頭痛があるか、薬の使用によって頭痛が悪化しているかなどを含めて判断します。

「薬が効きにくくなった」

「薬が切れるとすぐ頭痛が戻る」

「頭痛がない日も不安で薬を飲む」

という場合は、自己判断で飲み続けず、早めにご相談ください。日本頭痛学会も、薬を連日使用したり効果が弱くなったと感じたりした場合は、自己判断を続けず専門医へ相談するよう案内しています。

薬の中止方法は使用薬や状態によって異なるため、無理に急にやめず、医師と相談して進めましょう。


Q5.血圧が高いと頭痛がするのでしょうか?

A.通常の高血圧は無症状のことが多く、頭痛の主な原因とは限りません。

頭痛や不安、痛みそのものによって、一時的に血圧が上がることもあります。そのため、頭痛時に血圧が高かったとしても、必ずしも「高血圧が頭痛の原因」とは限りません。

一方、血圧が180/120mmHg以上など極端に高く、次のような症状を伴う場合は、高血圧緊急症や脳卒中などの可能性があります。

  • 強い頭痛
  • 見え方の異常
  • 手足のしびれや脱力
  • 言葉が出にくい
  • 胸痛
  • 息苦しさ
  • 意識の変化

血圧が非常に高い場合は、1分以上安静にして測り直します。それでも高く、上記の症状がある場合は、ためらわず119番へ連絡してください。

症状がなくても極端に高い状態が続く場合は、自己判断で薬を追加せず、その日のうちに医療機関へ相談しましょう。


Q6.頭痛の相談へ行くとき、準備しておくとよいことはありますか?

A.頭痛の記録である「頭痛ダイアリー」を付けておくと、診断や治療に役立ちます。

次の内容を記録してください。

  • 頭痛が起きた日と時刻
  • 月に何日頭痛があるか
  • 1回の頭痛がどのくらい続くか
  • 痛む場所
  • ズキンズキン、締めつける、刺すような痛みなどの性質
  • 痛みの強さ
  • 吐き気、光・音への過敏、しびれなどの症状
  • 睡眠不足、月経、天候、飲酒、ストレスなどの状況
  • 使用した薬の名前
  • 薬を飲んだ日数と回数
  • 薬が効いたか
  • 仕事や家事を休んだか

頭痛がなかった日も分かるように記録すると、月の頭痛日数と薬の使用日数を把握しやすくなります。

そのほか、次のものも受診時にお持ちください。

  • 使用中の市販薬や処方薬が分かるもの
  • お薬手帳
  • 家庭血圧の記録
  • 健康診断の結果
  • 過去に受けた頭部検査の結果

完璧な記録でなくても構いません。カレンダーに頭痛の日と薬を飲んだ日だけ印を付ける方法でも、診療の大きな助けになります。


執筆者プロフィール
森川 髙司
医療法人煌仁会 森川内科クリニック 理事長
専門:内科・消化器内科・呼吸器内科
地域の皆様の健康寿命延伸のため、生活習慣病の予防・改善指導に力を入れています。

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