倦怠感が取れないときに考えたい原因|「ただの疲れ」で片づける前に確認したいこと

「ただの疲れ」と決めつける前に

こんにちは。兵庫県尼崎市の森川内科クリニック、理事長の森川髙司です。

「体がずっと重い」

「しっかり寝たはずなのに、疲れが取れない」

「以前なら簡単にできたことが、ひどくおっくうに感じる」

このような倦怠感は、多くの方が経験する身近な症状です。

仕事や家事が忙しかった、睡眠が足りなかった、運動をしすぎたという場合には、十分な休養を取ることで回復することが多いでしょう。

一方で、

  • 休んでも改善しない
  • 以前より明らかに疲れやすい
  • 数週間にわたって続いている
  • 仕事や家事ができないほど強い
  • 体重減少や発熱など、ほかの症状を伴う

場合は、「年齢のせい」「忙しいから」と決めつけず、一度原因を確認することが大切です。

倦怠感の背景には、貧血、甲状腺の病気、糖尿病、肝臓・腎臓・心臓の病気、睡眠障害、薬の影響、ストレスやうつ状態など、さまざまな原因があります。複数の要因が重なっていることも珍しくありません。厚生労働省の資料でも、倦怠感の鑑別として、貧血、甲状腺機能低下症、糖尿病、薬剤性、睡眠時無呼吸症候群、心不全、腎不全、肝不全、感染症など幅広い状態が挙げられています。

原因が分かれば、治療や生活の見直しによって改善できる可能性があります。


まず確認|次の症状がある場合は、早急な受診や119番を検討してください

倦怠感だけで救急車が必要になることは多くありません。

しかし、次のような症状を伴う場合は、心臓、肺、脳、重い感染症、低血糖など、緊急性の高い状態の可能性があります。

ためらわず119番を検討する症状

  • 呼びかけへの反応が鈍い、意識がもうろうとしている
  • 急に言葉が出にくくなった
  • 顔のゆがみや、片方の手足の脱力がある
  • 強い息苦しさがある
  • 胸の締めつけや強い胸痛がある
  • 唇や顔色が青白い、紫色になっている
  • 立てない、歩けないほど急にぐったりした
  • けいれんを起こした
  • 冷や汗、手の震え、意識の変化があり、低血糖が疑われる
  • 高熱とともに反応が悪い、呼吸が速い
  • 吐血、大量の血便、黒いタール状便がある

このような状態では、自分で運転して医療機関へ向かわず、119番へ連絡してください。


倦怠感とは、どのような状態ですか?

倦怠感とは、身体的または精神的に、

  • だるい
  • 体が重い
  • 疲れやすい
  • 力が入らない
  • 気力が出ない

と感じる自覚症状です。

疲労は、本来、体が休息を必要としていることを知らせる大切な反応です。過労や睡眠不足による生理的な疲労であれば、休養によって回復します。

一方、十分に休んでも改善しない場合や、負担に見合わないほど強い疲労が続く場合には、病気や睡眠、心理的要因などを確認する必要があります。疲労・倦怠感は原因が多岐にわたり、複数の要因が関係することも多いとされています。


倦怠感の主な原因

分類主な原因の例
生活・睡眠睡眠不足、過労、不規則な生活、運動不足、睡眠時無呼吸、不眠
血液・栄養貧血、鉄・ビタミン不足、低栄養
代謝・ホルモン糖尿病、甲状腺疾患、副腎疾患、電解質異常
感染・炎症かぜ、インフルエンザ、感染後の倦怠感、慢性感染症
心臓・肺心不全、不整脈、呼吸器疾患
肝臓・腎臓肝機能障害、腎機能低下
こころうつ状態、不安、強いストレス、適応障害
薬・嗜好品睡眠薬、抗アレルギー薬、降圧薬などの影響、飲酒
その他更年期、妊娠、脱水、悪性疾患など

「倦怠感だけ」では原因を絞り込めないため、症状の経過や、同時に起きている変化を丁寧に確認することが重要です。


内科の検査で確認できる代表的な原因

貧血

貧血になると、血液が全身へ十分な酸素を運びにくくなります。

主な症状には、

  • 疲れやすい
  • 息切れ
  • 動悸
  • 立ちくらみ
  • 顔色が悪い
  • 頭痛
  • 集中しにくい

などがあります。

月経量が多い方、妊娠中の方、食事量が少ない方だけでなく、胃や腸からの出血が原因になることもあります。

黒い便や血便、原因不明の体重減少を伴う場合は、鉄剤だけで済ませず、出血の原因を調べる必要があります。

血液検査では、赤血球やヘモグロビン、必要に応じて鉄やフェリチンなどを確認します。

甲状腺の病気

甲状腺は、体の代謝を調節するホルモンを作る臓器です。

甲状腺の働きが低下した場合

  • 強い倦怠感
  • 寒がり
  • むくみ
  • 体重増加
  • 便秘
  • 脈が遅い
  • 気分の落ち込み

などが現れることがあります。

甲状腺が働きすぎた場合

  • 動悸
  • 発汗
  • 手の震え
  • 暑がり
  • 体重減少
  • 下痢
  • 筋力低下
  • 落ち着かない

などがみられます。

どちらも血液検査で甲状腺ホルモンを確認できます。

糖尿病

血糖値が高い状態が続くと、

  • 体がだるい
  • のどが渇く
  • 尿の回数や量が増える
  • 体重が減る
  • 傷が治りにくい
  • 感染症にかかりやすい

といった症状が現れることがあります。

ただし、糖尿病は症状がほとんどないまま進行することも少なくありません。糖尿病は、インスリンが十分に働かず、血液中のブドウ糖が増える病気です。

血糖値やHbA1cを測定することで確認します。

極端な口渇、多尿、嘔吐、腹痛、意識の変化などを伴う場合は、重い高血糖状態の可能性があるため、早急な受診が必要です。

肝臓の病気

肝臓の病気は、初期には倦怠感だけで気づかれることがあります。

  • 食欲低下
  • 吐き気
  • 右上腹部の不快感
  • 尿の色が濃い
  • 皮膚や白目が黄色い
  • 体がかゆい
  • 足がむくむ

などを伴う場合があります。

特に黄疸が現れた場合は、早めに受診してください。

腎臓の病気

腎機能が低下すると、老廃物や余分な水分を排出しにくくなり、

  • 倦怠感
  • むくみ
  • 食欲低下
  • 吐き気
  • 息苦しさ
  • 尿量の変化
  • 皮膚のかゆみ

などが現れる場合があります。

腎臓病は、かなり進むまで症状が乏しいこともあります。

血液検査と尿検査で、腎機能や尿たんぱくなどを確認します。

心臓の病気

心臓が十分に血液を送り出せなくなると、

  • 少し動くだけで疲れる
  • 息切れ
  • 横になると息苦しい
  • 足がむくむ
  • 夜間に息苦しくて目が覚める
  • 体重が急に増える

などが現れることがあります。

胸痛、強い息苦しさ、冷や汗、失神を伴う場合は、通常の外来を待たず119番を検討してください。


「寝ても疲れが取れない」ときは、睡眠の質を確認しましょう

十分な時間、布団に入っていても、睡眠の質が低ければ体は十分に休めません。

睡眠障害では、日中の疲労、倦怠感、集中力低下、眠気、意欲低下などが現れることがあります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が繰り返し止まったり、浅くなったりする病気です。

次のようなサインがある場合は注意してください。

  • 大きないびき
  • 家族から呼吸停止を指摘された
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 夜間に何度もトイレへ行く
  • 朝、頭痛や口の渇きがある
  • 十分寝ても疲れが取れない
  • 日中に強い眠気がある
  • 集中力が続かない
  • 高血圧が下がりにくい

ご本人には無呼吸の自覚がないことが多く、「睡眠時間は足りているのに疲れる」という形で現れることがあります。

なお、女性では、強いいびきや眠気より、不眠、疲労感、睡眠の質の低下が目立つ場合もあります。

自宅で行う簡易検査などで確認できるため、気になる方はご相談ください。

不眠

  • 寝つくまで時間がかかる
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 朝早く目覚めて眠れない
  • 朝起きても休んだ感じがない

状態が続くと、日中の倦怠感につながります。

生活習慣や睡眠環境を整えても改善しない場合は、睡眠障害や更年期などが隠れていることがあります。

眠るための飲酒は、入眠しやすく感じても、夜の後半の睡眠の質を低下させることがあります。


感染症の後に倦怠感が続くこともあります

かぜ、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などの後に、熱や咳が治まっても倦怠感が続くことがあります。

感染後の回復には個人差がありますが、

  • 日ごとに悪化する
  • 数週間たっても改善しない
  • 息切れや胸痛を伴う
  • 発熱が再び出た
  • 体重が減る
  • 日常生活へ大きな支障がある

場合は、感染後の症状だけと決めつけず、貧血、甲状腺、心肺機能など別の原因も確認することが大切です。


こころの状態と倦怠感

倦怠感は、体の病気だけでなく、ストレス、不安、気分の落ち込みなどによっても起こります。

次のような状態が2週間以上続く場合は、こころの不調が関係している可能性があります。

  • 気分が沈む
  • 以前楽しめていたことを楽しめない
  • やる気が出ない
  • 朝が特につらい
  • 食欲が落ちた、または増えた
  • 眠れない、または眠りすぎる
  • 集中できない
  • 自分を責めてしまう

これは「気の持ちよう」や「怠け」ではありません。

身体的な病気と、こころの不調が同時に起きている場合もあります。まず内科で体の原因を確認し、必要に応じて心療内科や精神科などへつなぐ方法もあります。

「消えてしまいたい」と感じるとき

  • 生きているのがつらい
  • 消えてしまいたい
  • 自分を傷つけたい
  • 具体的な方法を考えている

という場合は、一人にならず、ご家族や信頼できる人、医療機関へすぐに助けを求めてください。

差し迫った危険がある場合は119番です。


薬の影響にも注意が必要です

倦怠感や眠気は、薬の副作用として現れることがあります。

例えば、

  • 睡眠薬
  • 抗不安薬
  • 抗アレルギー薬
  • 一部の鎮痛薬
  • 一部の降圧薬
  • 利尿薬
  • 抗うつ薬
  • 一部の糖尿病治療薬
  • 市販のかぜ薬
  • 漢方薬やサプリメント

などが関係する場合があります。

ただし、必要な薬を自己判断で中止すると、持病が悪化する可能性があります。

市販薬、漢方薬、健康食品を含め、使用しているものを医師へ伝えてください。


早めに内科へ相談したいサイン

次のような場合は、倦怠感を「疲れ」として放置せず、早めに内科へご相談ください。

  • 十分に休んでも改善しない
  • 2週間以上続いている
  • 徐々に悪化している
  • 仕事、家事、外出が難しい
  • 原因不明の体重減少がある
  • 発熱が続く、または繰り返す
  • 息切れや動悸がある
  • 足のむくみがある
  • 寝汗がひどい
  • リンパ節の腫れが続く
  • 食欲が著しく落ちた
  • 血便や黒色便がある
  • 皮膚や白目が黄色い
  • 尿量が減った
  • 大きないびきや睡眠中の呼吸停止がある
  • 気分の落ち込みが強い
  • 新しい薬を始めてからだるくなった

「2週間」はあくまで一つの目安です。

症状が強い場合や、体重減少、息苦しさ、出血などを伴う場合は、日数を待たず受診してください。


受診すると、どのようなことを調べますか?

倦怠感は原因が幅広いため、まず問診と診察を丁寧に行います。

問診で確認すること

  • いつから始まったか
  • 突然か、徐々にか
  • 一日中続くか、時間帯によって変わるか
  • 休むと改善するか
  • 睡眠時間と睡眠の質
  • いびき、呼吸停止、日中の眠気
  • 発熱や体重変化
  • 息切れ、動悸、むくみ
  • のどの渇きや尿量
  • 食欲や便の変化
  • 月経や出血
  • 気分やストレス
  • 持病
  • 使用している薬
  • 健康診断での指摘

必要に応じて行う検査

症状に応じて、次のような検査を検討します。

  • 血球検査:貧血、感染など
  • 血糖値、HbA1c:糖尿病
  • 甲状腺機能検査
  • 肝機能検査
  • 腎機能検査
  • 電解質
  • 炎症反応
  • 鉄、フェリチン、ビタミンなど
  • 尿検査
  • 心電図
  • 胸部エックス線
  • 睡眠時無呼吸の検査

すべての検査を一度に行うわけではありません。

症状、診察結果、年齢、持病などから必要なものを選びます。

また、検査で異常が見つからなかった場合も、「何も問題がない」と簡単に片づけるのではなく、睡眠、ストレス、生活環境、薬などを含めて原因を整理します。


受診前に記録しておくとよいこと

診察までの数日間、次のような内容をメモしておくと役立ちます。

  • 倦怠感が強い時間帯
  • 睡眠時間
  • 夜中に目が覚めた回数
  • 日中の眠気
  • 発熱
  • 体重
  • 食事量
  • 血圧・脈拍
  • 仕事や運動の状況
  • 服用した薬
  • 月経や出血
  • 気分の変化

スマートフォンのメモやカレンダーで構いません。


自宅で見直せるポイント

危険な症状がなく、過労や睡眠不足が考えられる場合は、次の点を見直してみましょう。

睡眠時間を確保する

毎日大きく違う時間に寝起きするのではなく、起床時刻をなるべく一定にします。

寝床で長時間過ごしても、睡眠の質が上がるとは限りません。

食事を抜かない

極端な食事制限や、菓子・飲料だけで済ませる食生活は、低栄養や血糖変動につながります。

主食、たんぱく質、野菜などを無理のない範囲でそろえます。

水分不足に注意する

暑い時期、発熱、下痢、食欲低下がある場合は、脱水によって倦怠感が強くなることがあります。

心臓病や腎臓病で制限を受けている方は、主治医の指示を優先してください。

軽く体を動かす

体調が安定している場合は、短時間の散歩やストレッチが睡眠や生活リズムの改善に役立つことがあります。

ただし、動くと息切れや胸痛が出る場合は、運動せず受診してください。

飲酒を見直す

寝酒は眠りを浅くし、翌日の倦怠感を悪化させることがあります。

休む時間を予定に入れる

「仕事が終わったら休む」のではなく、休息そのものを予定に入れることも大切です。

厚生労働省は、働く人向けに疲労蓄積度のセルフチェックを公開しています。過労が気になる方は、働き方を見直すきっかけとして活用できます。

ただし、生活を整えても改善しない場合は、セルフケアだけを続けず受診してください。


森川内科クリニックにできること

当院は、JR塚口駅から徒歩3分、尼崎市上坂部・ミリオンタウン塚口2階にある内科・消化器内科クリニックです。

倦怠感の原因を幅広く確認します

倦怠感の背景には、一つだけでなく複数の要因が重なっていることがあります。

当院では、

  • 貧血
  • 甲状腺疾患
  • 糖尿病
  • 肝機能・腎機能の異常
  • 感染症
  • 薬の影響
  • 脱水
  • 睡眠障害
  • 生活習慣

などを、症状に応じて確認します。

必要に応じて血液検査、尿検査、心電図などを行い、専門的な検査が必要な場合は適切な医療機関へご紹介します。

睡眠時無呼吸の検査に対応します

「十分寝ているのに疲れが取れない」

「いびきが大きい」

「日中の眠気が強い」

という方には、睡眠時無呼吸症候群が隠れていないかを確認します。

当院では、ご自宅で行う簡易検査や、CPAP療法の継続管理に対応しています。

生活習慣病も合わせて診療します

倦怠感をきっかけに、高血圧、糖尿病、脂質異常症などが見つかることがあります。

検査で異常が見つかった場合は、生活習慣の見直しから薬物治療まで、継続してサポートします。

こころと体の両面に配慮します

倦怠感には、体の病気と心理的な負担が同時に関係する場合があります。

身体的な原因を確認したうえで、心療内科や精神科などの支援が適切と考えられる場合は、相談先をご案内します。

理事長は企業の産業医も務めており、過重労働、職場のストレス、復職、仕事と治療の両立についてもご相談いただけます。


まとめ|休んでも取れない倦怠感は、一度原因を確認しましょう

倦怠感について、大切なポイントをまとめます。

1.一時的な疲労は、休養で改善することが多い症状です。

過労や睡眠不足が明らかな場合は、まず休むことが大切です。

2.休んでも改善しない倦怠感には、治療できる原因が隠れていることがあります。

貧血、甲状腺疾患、糖尿病、肝臓・腎臓の病気などは、血液検査で確認できる場合があります。

3.寝ても疲れが取れない場合は、睡眠の質を確認しましょう。

大きないびき、呼吸停止、朝の頭痛、日中の眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の検査をご検討ください。

4.倦怠感は、こころの不調でも起こります。

気分の落ち込みや興味の低下が続く場合は、一人で抱え込まず相談してください。

5.体重減少、発熱、息切れ、出血、黄疸などを伴う場合は早めの受診が必要です。

症状が強ければ、日数を待つ必要はありません。

6.意識の異常、強い呼吸困難、胸痛、片側の脱力などがある場合は119番です。

通常の外来を待たず、救急要請してください。

倦怠感は、「頑張りが足りない」「気のせい」というものではありません。

体やこころが休息や治療を必要としているサインである場合があります。

長く続くだるさを「いつものこと」とあきらめる前に、一度ご相談ください。


ご相談・ご予約

医療法人 煌仁会 森川内科クリニック
理事長 森川髙司
内科

兵庫県尼崎市上坂部
JR塚口駅から徒歩3分
ミリオンタウン塚口2階

Web予約

https://ssl.fdoc.jp/reserve/subjectlist/index/cid/s2552911?SITE_CODE=hp

お電話でのご予約・お問い合わせ

06-6439-7337

平日は19時まで、土曜日も診療しています。

現在、意識の異常、強い息苦しさ、胸痛、片方の手足の脱力などがある方は、当院の予約ではなく、ためらわず119番へ連絡してください。

倦怠感についてよくあるご質問

Q1.倦怠感が続くときは、何科を受診すればよいですか?

A.まずは内科へご相談ください。

倦怠感の原因は、睡眠不足や過労だけでなく、貧血、甲状腺疾患、糖尿病、肝臓・腎臓の異常、感染症、睡眠障害、薬の影響など多岐にわたります。

内科では、症状の経過や生活状況、服用中の薬などを確認し、必要に応じて血液検査、尿検査、心電図などを行います。

また、倦怠感には、うつ状態や強いストレスなど、こころの不調が関係することもあります。体の症状が前面に現れ、本人がこころの不調に気づきにくい場合もあります。まず内科で身体的な原因を確認し、必要に応じて心療内科や精神科などへつなぐ方法があります。

ただし、強い息苦しさ、胸痛、意識の異常、片側の手足の脱力などがある場合は、通常の外来受診ではなく119番を検討してください。


Q2.どのくらい続いたら、だるさで受診すべきですか?

A.一律の日数だけで決めず、休んでも改善するか、日常生活に支障があるか、ほかの症状を伴うかで判断します。

過労や睡眠不足が明らかで、休養によって少しずつ改善している場合は、短期間様子を見られることがあります。

一方、次のような場合は内科への相談をおすすめします。

  • 十分に休んでも改善しない
  • 2週間程度続いている
  • 徐々に悪化している
  • 仕事、家事、外出が難しい
  • 原因不明の体重減少がある
  • 発熱が続く、または繰り返す
  • 息切れ、動悸、むくみを伴う
  • 血便や黒い便がある
  • 皮膚や白目が黄色い
  • 気分の落ち込みや興味の低下が続く

「2週間」はあくまで目安です。症状が強い場合や、呼吸困難、胸痛、意識の異常などを伴う場合は、日数を待つ必要はありません。

感染症の後に倦怠感が続く場合も、時間とともに改善しないときは、かかりつけ医などへの相談が勧められています。


Q3.寝ても疲れが取れません。どのような原因が考えられますか?

A.睡眠時間だけでなく、睡眠の質が低下している可能性があります。

不眠症などの睡眠障害では、日中の倦怠感、疲労、眠気、集中力の低下、意欲の低下などが現れます。

代表的な原因の一つが、睡眠時無呼吸症候群です。睡眠中に呼吸が繰り返し止まったり浅くなったりするため、本人は眠ったつもりでも、脳と体が十分に休めないことがあります。

次のような症状がある場合は、睡眠時無呼吸の検査をご検討ください。

  • 大きないびき
  • 家族から呼吸停止を指摘された
  • 朝の頭痛や口の渇き
  • 日中の強い眠気
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 十分寝ても疲れが取れない
  • 高血圧が下がりにくい

睡眠時無呼吸では、眠気だけでなく、回復感のない睡眠や疲労感、不眠が現れることがあります。

なお、女性では、いびきや眠気が目立たず、不眠や疲労感、睡眠の質の低下として現れる場合もあります。

生活習慣や睡眠環境を見直しても改善しない場合は、睡眠障害や更年期などが隠れている可能性もあるため、医療機関へご相談ください。


Q4.血液検査で、だるさの原因は分かりますか?

A.原因を見つける手がかりになりますが、血液検査だけですべてが分かるわけではありません。

症状に応じて、血液検査では次のような項目を確認します。

  • 血球検査:貧血や感染症の手がかり
  • 血糖値・HbA1c:糖尿病
  • 甲状腺機能:甲状腺ホルモンの異常
  • 肝機能:肝臓の状態
  • 腎機能:腎臓の状態
  • 電解質:ナトリウムやカリウムなどの異常
  • 炎症反応
  • 鉄やビタミンなどの不足

検査によって、貧血、甲状腺疾患、糖尿病、肝臓・腎臓の異常などが見つかることがあります。

ただし、倦怠感は、睡眠不足、睡眠時無呼吸、薬の副作用、ストレス、うつ状態、生活環境など、通常の血液検査だけでは判断できない原因でも起こります。

そのため、問診や診察と検査結果を組み合わせて、必要な項目を段階的に確認します。


Q5.ストレスや気分の落ち込みでも、だるくなりますか?

A.はい。ストレスやうつ状態によって、倦怠感や疲れやすさが現れることがあります。

うつ状態では、気分の落ち込みや意欲低下だけでなく、

  • 体がだるい
  • 疲れやすい
  • 眠れない、または眠りすぎる
  • 食欲が落ちる
  • 頭痛、めまい、動悸
  • 集中力が続かない

など、身体症状が目立つことがあります。

これは「気の持ちよう」や「怠け」ではありません。

特に、

  • 気分の落ち込み
  • 以前楽しめていたことを楽しめない
  • やる気が出ない
  • 睡眠や食欲の変化
  • 自分を強く責める

といった状態が続く場合は、一人で抱え込まず、医療機関へご相談ください。

体の病気とこころの不調が同時に起きている場合もあるため、まず内科で相談し、必要に応じて心療内科や精神科へつなぐこともできます。

「消えてしまいたい」「自分を傷つけたい」と感じる場合は、一人にならず、家族や信頼できる方、医療機関へすぐに助けを求めてください。差し迫った危険がある場合は119番です。


Q6.だるさを和らげるために、生活でできる工夫はありますか?

A.睡眠、食事、水分、活動量、飲酒などを整えることが基本です。

次のような点を見直してみましょう。

  • 起床時刻をなるべく一定にする
  • 必要な睡眠時間を確保する
  • 食事を抜かず、たんぱく質や野菜も取る
  • 暑い時期や発熱時は、水分不足に注意する
  • 体調が安定していれば、短時間の散歩やストレッチを行う
  • 寝酒を控える
  • 休息を予定として確保する
  • 市販薬やサプリメントを含め、薬の影響を確認する

睡眠時間を長く取るだけでなく、朝起きたときに休養感があるかも重要です。生活習慣や睡眠環境を整えても疲れが取れない場合は、睡眠障害などの可能性があります。

ただし、

  • 休んでも改善しない
  • 徐々に悪化する
  • 日常生活に支障がある
  • 体重減少、発熱、息切れなどを伴う

場合は、生活の工夫だけで様子を見続けず、内科で原因を確認してください。

動くと胸痛や強い息切れが出る場合は、運動を控えて早めに受診しましょう。


執筆者プロフィール
森川 髙司
医療法人煌仁会 森川内科クリニック 理事長
専門:内科・消化器内科・呼吸器内科
地域の皆様の健康寿命延伸のため、生活習慣病の予防・改善指導に力を入れています。

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